梅村さえこ(日本共産党衆議院議員)-北関東ブロック(埼玉・栃木・群馬・茨城)比例代表選出
地方自治

事業費増額は無責任 八ツ場ダム 梅村氏が中止求める

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  日本共産党の梅村さえこ議員は25日の衆院総務委員会で、八ツ場(やんば)ダム(群馬県)の事業費増額と自治体負担についてただしました。

 事業費を約720億円増額して5320億円にすることに対して自治体から「絶対に増やしてほしくない」と厳しい声が出ていると指摘。41億円増額した本体掘削について野村正史・国土交通省水管理・国土保全局次長は「地質構造など掘削進展で明らかになったものなどによる」増額だと弁明しました。

 梅村氏は、地層部の脆弱(ぜいじゃく)性は指摘されていたことであり、「国はかつて地層が『良好』だとして工事費を大幅に圧縮した。今度は掘削して分かったから増額するというのは通らない」と述べました。

 梅村氏は、6億円弱から約96億円に増えた地滑り対策費についても質問。吾妻渓谷で危険性が指摘される11カ所のうち5カ所を対策不要としたことについて、根拠があいまいで無責任だと述べ、危険性を検証する第三者機関の設置や十分な住民説明を求めました。

 今後の事業費増加の可能性について野村氏は「(増額など)事業に関する不確実性は小さくなっている」と述べるだけでした。梅村氏は、ダムと切り離して住民の生活再建を国が責任をもって進め、本体事業の速やかな中止を求めました。

【「しんぶん赤旗」2016年10月30日付】

ー会議録ー

梅村委員 日本共産党の梅村さえこです。

 きょうは、八ツ場ダムの事業費増額と自治体負担について質問いたします。

 先日、栃木県の南摩ダムを視察してまいりましたが、建設の是非が検証されてきたダムの多くが、安倍政権の復活以降、継続とされてきています。しかし、生活密着の公共事業を後回しにして進めた無駄な大型公共事業の推進が日本の財政を大きく悪化させてきたことは既に明白であり、その道を再び拡大させてはならないと考えます。

 その点で、八月十二日に発表された群馬県の八ツ場ダムの七百二十億円の増大は重大だと考えます。これに伴う関係都県の地方負担額は、国交省の試算が今配付資料にありますが、各地方議会の議論の中で出されている負担額を見ても、茨城県が約四十二億円、栃木県が約一・六億円、群馬県が約三十三・八億円、埼玉県が約八十八億円、千葉県が約六十三億円、東京都が約九十九億円です。

 七百二十億円もの新たな事業費の増大、また、先ほども地方自治体の財政が大変厳しいという議論がありましたが、こうした中で自治体にかける負担の大きさ、決して少なくないと思いますが、その責任をどうお考えになるか、御答弁いただきたいと思います。

野村政府参考人 お答えをいたします。

 八ツ場ダムの建設事業につきましては、ダム本体の基礎掘削がおおむね完了し、現地の地質状況が明らかになるなど、残る工事の内容がおおむね確定できたことから、今後の増額を明らかにすることができました。

 それで、今回の増額は、コスト縮減の努力や工夫をしても、なお前回計画変更以降の新たな状況変化に基づくコスト増が見込まれることにより生じたものでございます。

 具体的には、昨今の急激な労務費の上昇や消費税率の変更といった回避不可能なもの、それから、地下の地質構造等といった現地状況が掘削の進展により最近明らかになったものなどによるものでございます。

 また、八ツ場ダム建設事業に係る関係都県等の負担割合は、特定多目的ダム法に基づき作成される基本計画等に規定されており、全体の事業費が増額になれば、おのずと関係都県等の負担額も増額となるものでございます。

 今回、今ほどの説明のとおり、避けることのできない理由、あるいは最近明らかになった事情などにより事業費を増額する必要が生じましたので、やむを得ず関係都県等に負担の増をお願いしているところでございます。

 関係都県等からは、事業の完了まで徹底したコスト縮減を行うことといった意見をいただいているところであり、国土交通省としては、これを真摯に受けとめ、今後の事業において十分努力してまいる所存でございます。

梅村委員 大変重い負担である、とりわけ地方自治体にとっては大変重い負担であるということをしっかりと受けとめていただきたいというふうに思います。

 それで、この八ツ場ダムなんですけれども、国内最大の事業規模で、資料にありますように、一九八六年の基本計画で二千百十億円、その後四千六百億円に倍増し、さらに今回の五千三百二十億円で、既に五回もの計画変更、当初計画の二・五倍になっていると思います。

 こうした経過の上、そもそも前回の変更のときに、期間の延長はあるんだけれども増額はないと言ったときに、それからわずか三年で七百二十億円もの増額発表がされたことに、今回、余りにも唐突だ、無責任だという声が上がっているかと思います。

 それで、群馬県の知事さんも、熟慮に熟慮を重ねた苦渋の選択だとし、議会での議決の議論の際も、党派を超えて、自民党の議員さんの中からも、藤岡市の自治体負担がトータル額で市の一年の一般予算の一割にも当たる額だということ、また、水道料金の値上げにも言及され、遺憾だ、じくじたる思い、毅然とした態度で国とは対峙してほしいという厳しい意見を出されています。

 茨城県知事も、もうこれ以上絶対にふやしてほしくない、今回ふえたことは大変遺憾とし、埼玉県も、県議会が前回の増額の際にこれ以上の増額はのめないと議決もしており、今回知事は苦渋の決断と表明しています。

 また、議会では、水道料金への八ツ場ダム負担金の影響について、仮に八ツ場ダムが二〇二〇年以降に稼働した場合、水道事業に減価償却費や維持管理費で毎年二十三億円の支払い額が生じ、水道料金の値上げ、さらに収支は水需要の減少や老朽施設の更新費用の増加により赤字に転ずる見込みが明らかにされました。

 自治体ではこのような議論や悲鳴が上がっているかと思います。こうした議論を総務省としてもしっかり認識すべきだと思いますが、この点、いかがでしょうか。

原田副大臣 お答えをさせていただきます。

 今回の八ツ場ダムの事業計画変更については、結果として各地方議会の承認があったものと承知をいたしておりますが、その過程において、ただいま梅村委員御紹介のように、徹底したコストの縮減による総事業費の圧縮等を求める議論があったことは、重要な視点と考えておるところでございます。

梅村委員 私たちは、コストの削減といっても、危険場所について、やはりそれを無視したようなコストの削減はすべきではないというふうに思っております。そもそも、事業そのものに無理があったのではないかというようなことを感じております。

 そこで、自治体からは、もうこれ以上絶対にふやしてほしくないという声が厳しく出ているわけですから、今後果たしてこれ以上増額がないのか、この点についてお伺いしていきたいと思います。

 今回の事業費七百二十億円のうち、先ほど、新たにわかった問題など、避けようがなかったというような御紹介がありまして、果たしてそうなのかということを私は思います。

 七百二十億円のうち、地すべり等安全対策による変更が百四十一億円、地質条件の明確化等による変更が二百二億円、実に地質関係の工事変更に伴う増額が三百四十三億円で、約半分近くになろうかと思います。

 ここだけをとっても、工事してみたら危ないところがわかったと言いますけれども、これから述べますけれども、かねてからこの地域は地質が危ないということを指摘し続けてきたわけです。ですから、今わかったというようなことは私は理由にはならないと思います。

 その上で、きょうは、時間の関係で、二点について伺いたいと思います。

 第一に、本体の掘削の四十一億円の増額についてです。

 これは、基礎掘削が進み、当初想定よりもかたい岩石の割合が多いこと、また、除去が必要な緩い地質が想定より深かったため増額となったというふうにあります。この脆弱な地層部とは一体どのような地層なのか、また、これに伴う工事変更で、基礎掘削の深さ、基礎掘削量、コンクリート量はどのように変更されるのか、お答えいただきたいと思います。

野村政府参考人 お答えをいたします。

 ダム本体の基礎掘削がおおむね完了した結果、今お話ございましたが、基礎岩盤としての十分な強度を有していないため、追加で取り除くべき箇所、いわゆる除去が必要な弱層部が局所的にあったということ、さらには、逆ですけれども、掘削により取り除く岩盤の土質区分について、当初想定よりかたい岩石の割合が多かったことが具体的に判明をいたしました。

 そこで、基礎掘削量あるいはコンクリート量等を精査した結果、今回の変更案においては、基礎掘削量は約七十万立米を約八十四万立米に変更し、コンクリート量は約九十一万立米を約百一万立米に変更してございます。掘削の深さについては変更はないものと承知をしてございます。

梅村委員 そもそも、この部分の議論の経過を申しますと、既に一九七〇年代から、八ツ場の地質は、この国会の中でも、非常に脆弱な地層が多い、ダムの基礎岩盤として不安であると建設省が認識しているという議事録もあるかと思います。

 それで、二〇〇七年のときに、八ツ場ダムの基礎岩盤が想定よりも逆に良好であるという理由で、当時、本体工事費の大幅圧縮が可能になったと説明をされて、本体工事の設計変更による基礎掘削の深さが十八メートルから三メートルに減らされたり、基礎掘削量も百四十九万立方メートルから六十万立方メートルへと当初の半分以下となり、コンクリート量も減らされた、そういう経過が二〇〇七年にあったのではないか。

 それが、そのときは良好であるという理由で当初のものを縮小しながら、今回掘削してみたらまた危ないところがわかったから増大させる。これは、本体工事に入れば反対はできないだろうということで、二〇〇七年のときに、やはりいろいろな反対を、声を抑え込むような、そういう意図がなかったのかどうか。万が一なかったとしても、一旦良好だというもので下げたものを今回増大させるということは、今回初めて掘削してみたらわかったというような理屈はやはり通らないのではないかというふうに思います。

 この点を指摘したいと思いますが、いかがでしょうか。

野村政府参考人 必要となる工事量といいますのは、基本的に、その時々に得られている情報、知見に基づき私どもは算出をしております。

 今回はやはり、基礎掘削を進めていった、そこで初めてわかった事柄を踏まえた事業量の増大ということでございます。そのように私どもとしては考えておりますので、御了解いただければと思います。

梅村委員 経過は全然違いますので、了解はできないことだと思います。住民団体の皆さんや地元の皆さんがずっと声を上げてきた問題だと思いますので、今は全然御答弁になっていないんじゃないかというふうに指摘をしておきたいと思います。

 もう一点、地すべりについても聞きたいと思います。

 今回、地すべり対策が六億円弱から九十六億円へとかなりの増大となりました。もともとこの地域は非常に、火山堆積物の影響により地すべり地帯である、これも指摘がずっとあった問題かと思います。

 そこで伺いますが、十一カ所に危険性があると言われる中で、今回、六カ所で予算化、五カ所は必要なしという判断ですが、例えば、不要とした川原湯地区など本当に大丈夫なのかという声が地元からも上がっていますが、いかがでしょうか。

野村政府参考人 ダム検証時に地すべり等の対策箇所としておりました十一カ所は、その時点までに得られていたボーリング調査による調査結果などをもとに、地すべり等の対策工が必要となる可能性がある箇所として最大限の範囲を見込んでいたものでございます。

 その後、新たな技術指針、これは平成二十一年に策定したものですけれども、それをダム検証終了後に行うことができましたので、それを実施した結果、これは高品質ボーリング調査というものなどを行ったわけですけれども、その結果をもとに地すべり等の範囲を特定し、安定解析によって安全性を確認した上で、五カ所については対策不要としたものでございます。

 具体的には、例えば、今御指摘のあった対策が必要となる可能性のありました川原湯地区におきましては、例えば、地質の強度が軟岩程度以上である、それから斜面内部に弱い層が連続していない、あるいは大規模な崩壊や地すべりが確認されていないことから、斜面の安定性は高いと判断し、対策不要といたしました。

 なお、こうした地すべり等の対策の検討に当たりましては、ダム構造や地質、地すべり等の各分野の専門家に現地調査や打ち合わせを依頼し、技術的な指導助言をいただいているところでございます。

梅村委員 内部ではなく、やはり第三者機関を設けてしっかりとやるべきだと思います。

 また、何よりも、この決定というか、対策必要なしということは、地元住民の皆さんにはきちんとお知らせしているのでしょうか、説明はしているのでしょうか。

野村政府参考人 お答えをいたします。

 今回そういうことで、最大限十一カ所見込んでいたものを、五カ所は不要とし、六カ所にしたわけでございますけれども、このように、地すべり等に対する安全性につきましては、従来から、さまざまな機会を通じて地元にお伝えをしてきたところでございます。

 そして、今回の計画変更につきましても、九月下旬から地元に説明を開始したところでございます。

 具体的に、ではどのような対策を行うのか、施工計画ができましたら、改めてまたそれぞれの地元に説明してまいりたいと考えております。

梅村委員 それぞれの地元というのは、どのレベルまでの地元になっていますか。増額、そしていわゆる対策必要なしという決定をしているということは、きちんと住民の皆さんまで伝わっているのでしょうか。

野村政府参考人 今、開始をしておりますと申し上げましたけれども、例えば林地区に対して、あるいは川原畑地区に対して、大体そういうこれまでお話をしてきました集落、地区の単位というのがございますので、そういった単位で開始をしてございます。

 それで、今回の変更計画につきましても、さまざまな資料はホームページなどでも公表してございますけれども、直接、それぞれの地元、それぞれの地区に対しての考え方といいましょうか所見をきっちりと説明していくことになろうと思います。

梅村委員 その中ではどのような御意見などが出ていますでしょうか。

野村政府参考人 大変恐縮でございます、ちょうど開始をしたばかり、あるいはこれから開始をするというところもありますので、具体に、それぞれの地区でどのような御意見が示されたかは、ちょっと今この段階では十分承知してございません。

梅村委員 ですから、開始したばかりだと言いますが、まだきちんとされていないのが現状ではないかなというふうに思います。

 このように、危険だというふうに言われているときに、地すべりが起きるのではないかとずっと不安に思っていらっしゃるわけで、今回の七百二十億円の増額の前提としては、やはりこういう地域住民の方々にしっかりと説明することなしには進められない事業ではないかなというふうに私は思います。

 そこで、次に確認をしていきたいんですけれども、以上、いろいろ質問をさせていただきました。結局、今後、さらにやってみたら危険なところが出た、だから事業費が膨らむ、こういうことは否定できないのか、必至なのではないか、また、もう事業費の増大はないのか、ここら辺を簡潔にお答えいただきたいと思います。

野村政府参考人 これまで御答弁申し上げたとおり、これまでに基礎掘削がおおむね完了して、現在、本体コンクリート打設が本格化している状態でございまして、このように事業の終盤に入りまして、残事業の内容などがおおむね確定したことを踏まえて、増額要因とコスト縮減策の両面から精査を進め、数量、金額を適切に積み上げた結果として、今般、事業費を変更させていただくものでございます。

 今後の事業の施工条件や事業量がおおむね確定していることから、現時点で想定し得る増額要因を全て考慮していると考えております。

 今後とも、関係都県等とも緊密に連携しながら、一層のコスト縮減に取り組んでまいりたいと考えております。

梅村委員 コスト縮減と言いますが、安全なものに対して削減するというのは、それはおかしな話であると思います。

 そして、地質的な不安定さからは、やはり拡大するのではないか、そういう疑問を持っていらっしゃる方もいるわけですね。そこについて、全くその不安がないと言えますでしょうか。

野村政府参考人 今ほど申しましたとおり、おおむね残事業の内容等も見通せることになりまして、今後の事業実施に関する不確実性というのはかなり小さくなっているかと考えております。

 また、これを受けて、想定し得る事業費の増額要因を十分考慮しつつ、平成三十一年度までの完了に向けた工程の精査も今回行ったところでございます。

梅村委員 最後になりますけれども、事業費そのものがどんどん膨らむというこの国の直轄事業、いわば自動的に自治体の負担もふえるという仕組みになっております。こうした問題について、総務省としてもダム協議会などで意見をしっかり出すべきではないかと思いますが、最後に総務大臣に伺いたいと思います。

高市国務大臣 この直轄事業負担金制度は、国直轄事業が地域に及ぼす便益に見合って、地元地方公共団体にも応分の負担を求めるものですが、地元地方公共団体の財政にも影響を与えますから、地方財政法上、その負担割合は法律及び政令で定めることになっています。

 特に、事業規模が大きいダム事業につきましては、特定多目的ダム法において、国土交通大臣が計画を作成、変更、廃止しようとするときには、関係都道府県知事等の意見を聞かなくてはならないことになっています。

 総務省としても、国直轄事業はこうした制度的な仕組みのもとで実施されるべきと考えていますので、事業の所管官庁に対しまして、地方公共団体と十分な協議を行うように申し入れを行っております。

梅村委員 八ツ場ダム事業と切り離した地元住民の生活再建を国がしっかりと責任を持って進めるとともに、大変危険で莫大な事業費がさらにかかる本体事業は速やかに中止すべきであることを要望して、質問を終わりたいと思います。

 

 

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