梅村さえこ(日本共産党前衆議院議員)-北関東ブロック(埼玉・栃木・群馬・茨城)比例代表選出
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安倍政権が狙う消費税10%/若年層「増税怖い」/「教科書も授業料も上がる」「毎日モヤシに」

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「しんぶん赤旗」7月16日付・1・3面より

 安倍晋三政権は来年10月に10%への消費税増税を狙います。1989年4月に3%の税率で導入された消費税。いよいよ2桁の大台に乗せようとしています。

 月額7878円――。この15年間に若い世帯で切り詰められた食料費の額です。賃金低迷などが背景にあります。

 総務省「全国消費実態調査」によると、1999年から2014年の間に世帯主30歳未満の世帯では、家賃など住居費が上がる一方、食料費をはじめ、被服・履物などが減少しました。

 消費税が導入されて以降に生まれた女性(22)は「消費税は福祉のためというが、福祉は良くなっていない。増税は納得できない」と話します。

 女性は都内の私立大学で社会福祉を学んでいます。「買い物のとき、安いものばかりを探す自分に気づいてみじめになる」といいます。「家計簿をつけていますが、カツカツの生活。日常用品の購入が優先で、友だちと遊ぶことは後回しです」

 金融機関で契約社員として働きながら、資格取得を目指す女性(27)は、「資格をサポートする学校に通っていますが、増税で教科書代も授業料も上がると思うと不安」といいます。

 女性が大学を卒業したのは東日本大震災後の経済混乱期。「同じゼミの同級生10人のうち、正規雇用は3人くらい。非正規は賃金が低い。私も手取り13万円程度。資格をとってちゃんとした職につきたい」

 メーカー勤務の男性(22)は学生時代に5%から8%への増税を経験。「増税されて豊かになった実感はまったくない。負担だけです」。奨学金の返済が心配です。「利子が付いて4年分で290万円です。リストラされたらと考えると怖くなります」

 東京・杉並区に住む男性(34)は4歳のときに消費税が導入されました。「スーパーの半額タイムを待って買い物します。10%になったらモヤシとかで食いつなぐしかない」

 男性は28歳で静岡県から上京。牛乳配達など非正規雇用を転々としてきました。家賃滞納でアパートの契約更新を拒まれたことも。今の職場は繁忙期で月収20万円超です。「前より生活は安定しました。でも閑散期の収入は6割程度。社会保険料を納めていないので病気やけがが不安です」

政策ひっくり返す

 安倍政権が閣議決定した骨太の方針は19年10月の消費税率引き上げを明記するとともに、増税による消費低迷への対策を盛り込みました。そのやり方は前回の消費税増税のときにとった政策をひっくり返すものです。

 前回の増税の際、政府は法律を制定して「消費税還元セール」を禁じました。それを今回は「解禁」するというのです。

 前回増税の際に、「消費税還元セール」を禁止したのは、3%から5%への増税(1997年4月)の際、大手スーパーなどが「消費税還元」などと銘打ってセールを行ったからです。大手小売業者は消費者に販売するときの増税分を引き下げるために、優位な立場を利用して納入業者や下請け業者に増税分を押し付ける動きが多発。また、「セール」を行う体力のない中小・零細小売が営業不振に陥るなど、矛盾が広がりました。そのため、前回増税では、消費税を消費者にスムーズに転嫁するためとして「消費税還元セール」を禁止しました。

 その結果、消費税増税時に商品価格が急激に上昇し、激しい「駆け込み需要と反動減」が発生。消費低迷と景気悪化につながりました。今回は商品価格引き上げの時期をばらつかせることで、「駆け込み需要と反動減」をおさえようというものです。

 しかし、「消費税還元セール」を解禁したところで、増税後の消費低迷は避けられません。増税後の消費低迷は「駆け込み需要」が原因なのではなく、消費税増税による物価引き上げで国民から購買力が奪われた結果だからです。

景気の悪化は必至

 政府は14年4月に8%への引き上げを強行した際、「消費低迷は一時的」としていました。しかし、家計の実質消費支出は消費税増税以降、増税前となる13年平均額の364万円を超えたことは一度もありません。最新の18年5月は332万1000円となり、消費税増税直後の346万2000円すら下回りました。

 消費税率を10%に引き上げれば、5兆円の増税となります。「消費税還元セール」を解禁したことで、中小・零細業者や納入業者の苦境が繰り返されることは間違いありません。

 しかも消費税率は10%にとどまりません。経団連は4月17日発表の提言「わが国財政の健全化に向けた基本的考え方」の中で、社会保障の削減とともに、「税率 10%超への消費増税も有力な選択肢」と強調。経済同友会の小林喜光代表幹事も4月27日の総会で「財政健全化」のためには21年度から毎年1%ずつ消費税率を上げていって、最低でも17%にするべきだと発言。生産性が十分に伸びないときはさらに税率を上げて、22%にする必要があるとしています。一方で、社会保障費は5兆円も削ると提言しています。

応能負担の税制を

 消費税が導入されたときも、増税されたときもその口実は「社会保障の拡充」でした。しかし、社会保険料の引き上げや医療費などの窓口負担の増加、年金などの給付水準の削減などから明らかなように、社会保障は拡充するどころか削減されています。

 一方で法人税の減税や研究開発減税の拡充など大企業にはばらまきをしてきました。さらに改憲に執念を燃やす安倍政権のもとで、軍事は大幅な増強が狙われています。

 そもそも消費税は逆進性があるため、年収が低い世帯ほど負担は大きくなります。そのため社会保障財源に最もふさわしくない税制なのです。

 今求められているのは逆立ちした政治をただし、歳入と歳出を見直すことです。歳入では消費税に頼るのではなく、負担能力に応じた税制が必要です。富裕層と大企業は巨額の富を蓄積し、税負担の能力を十分に持っています。歳出では軍拡や大型開発中心の予算にメスを入れ、社会保障、教育、子育て支援など、格差と貧困の是正につながる予算を増やすことが大切です。

参院選に勝って増税中止を

 日本共産党・梅村さえこ参院比例予定候補の話 この間、各地で行っている集いでは「切り詰めのために電気をつけずに、テレビのあかりで夕食を食べている」という人など、生活に苦しむ声をたくさん聞いてきました。賃金が伸び悩み、年金も減らされているもとで、消費税率を引き上げれば、貧困はさらに深刻になります。

 安倍政権はこの間、2度にわたって消費税率の引き上げを延長してきました。その背景に税率引き上げによる景気低迷の危惧とともに、国民のたたかいがあることは間違いありません。

 政府が狙う19年10月の消費税増税の前には参議院選挙があります。日本共産党の躍進で、増税にストップをかけましょう。

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