梅村さえこ(日本共産党前衆議院議員)-北関東ブロック(埼玉・栃木・群馬・茨城)比例代表選出
国会質問

質問日:2016年 2月 26日 第190国会

民間委託推進を批判 衆院総務委 梅村氏が質問

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 日本共産党の梅村さえこ議員は2月26日の衆院総務委員会で、民間委託などで経費削減した自治体のとりくみを算定にとり入れて地方交付税を引き下げる「トップランナー方式」の導入の中止と、安全・安心の公共サービスの確保を求めました。

 梅村氏は、民間委託対象の窓口業務が戸籍、住民基本台帳、税証明、福祉の各部門に広げられ、東京・足立区の戸籍業務が偽装請負として是正指導されたことに触れ、「窓口業務は住民の福祉増進の最前線であり、見直しこそすべきだ」と強調。総務省自治行政局の渕上俊則局長は「法令違反が発生しないように助言したい」と答えました。

 梅村氏は、委託対象の学校給食の調理は食育の推進などで栄養教諭との連携が重要なのに、委託先の調理員が教諭の指示で業務を行えば偽装請負になると指摘。文科省の藤原章夫・大臣官房審議官も「関係法令に即して適切に運営されるべきだ」と述べました。

 梅村氏は、給食の民間委託が5割にとどまっているのは、地産地消で温かい給食をという子どもや保護者の切実な願いがあるからだと指摘し、「そもそも民間委託になじむのか検証すべきだ。交付税を使った民間委託の推進はあってはならない」と批判しました。

【「しんぶん赤旗」2016年3月3日付】

 

ー会議録ー

梅村委員 では、次の質問に移りたいと思います。
 次は、総務省が地方行政サービス改革として推進している、民間委託などアウトソーシングの問題について伺いたいというふうに思います。
 今度は、地方交付税の基準財政需要額の算定に、民間委託などの歳出効率化に向けた業務改革を進めている他の団体のモデルとなるようなものを反映するとしています。
 しかし、地方財政審議会では、「給与関係経費」のところで、地方公務員は大幅な減となっている、今後、少子高齢化への対応や社会的な支援が必要な人々へのきめ細やかな対応がますます求められていることを考えると、これまでと同じように地方公務員の数を減らすことに限界が来ているとの指摘もあります。
 このような指摘をどのように認識していらっしゃるか、また、交付税算定にその関係でトップランナー方式を導入しようとしているのか、目的について大臣に伺いたいと思います。

高市国務大臣 近年の地方財政計画におきましては、地方団体における定員の純減幅が縮小しているという実態等を勘案して、職員数の削減が抑制されてきています。
 一方、地方財政が依然として厳しい状況にある中で、引き続き行政の効率化を進めるために、民間委託などの業務改革の推進に努めることも必要だと考えております。
 こうした中で、地方交付税の算定におきましても、平成二十八年度からトップランナー方式を導入しまして、多くの団体が取り組んでいる業務改革について、その経費水準を基準財政需要額の算定基礎とすることにいたしました。

梅村委員 この間、やってきたこともあります。ですので、公的な業務を切り出すことが、公共サービスが生命線の地方にとって、本当の意味で住民にとって改革になっているのか、そういう検討をした上で、これも今後のトップランナーなどを検討すべきだというふうに私は思います。
 そこで、窓口業務について伺いたいと思いますけれども、トップランナー方式でも、来年度以降の検討業務としてこの問題が挙げられております。その中には、戸籍業務、住民基本台帳業務、税証明業務、福祉業務まで入っております。その際の留意事項について御説明いただきたいというふうに思います。公共サービスを切り出して業務委託を行う地方公共団体で、労働法上違法となりかねないケースはどのようなケースなのか、お答えいただきたいと思います。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねの、労働法上生じ得る問題ということでございますけれども、労働者派遣法との関係で生じ得る問題ということでございます。
 地方公共団体の窓口業務などの公共サービスを民間委託される場合に、地方公共団体の職員である公務員の方が委託先の民間事業者の労働者の方に対しまして、業務の遂行あるいは労働時間等に関します指示を直接行った場合というようなケースにつきましては、いわゆる偽装請負ということになりまして労働者派遣法に違反するというケースが、生じ得る問題ということとしては考えられるということでございます。

梅村委員 きょうの配付資料3のところで、厚生労働省が公共サービスイノベーション・プラットフォームに提出した資料ですけれども、「公務員が実施すべき業務」として「交付決定等の「判断」」があり、それ以外を委託可能だというふうにしております。
 わざわざフローチャートを出して、ここまではできるけれども、ここはというような分類もされているわけですけれども、やはりフローチャートを出さなければいけないぐらいこういう問題がこの間現場ではあるのか、その点を伺いたいと思います。

坂口政府参考人 お答え申し上げます。
 具体的な実態の件数の把握ということではございませんけれども、労働者派遣法上、こういう民間委託をするということについては、先ほど申し上げましたような問題が生じ得るということでございますので、そういった問題が生じないようにということでの留意事項ということで、委託する業務の範囲を明確にするというような点についてしっかり留意をいただきたいということで、資料として御提出をさせていただいたというものでございます。

梅村委員 ですから、制度上こういうことが危惧されるということはやはりあるというふうに思うんですね。
 それと同時に、この今のフローチャートにも、民間委託は、「民間事業者が独立して完了することができる業務を委託すること」というふうにかなり明確に書いてあります。しかし、先ほど、地方財政審でも言われているように、支援が必要な人にきめ細やかな対応をしていくと。
 やはりこの窓口業務というのは、私たちも役所に行って思いますけれども、一番の住民サービス、住民の福祉増進の最前線にあるわけでありまして、こうした窓口業務ですら検証しなければならない点が生まれていると考えると、やはりこれはもう少し慎重に当たっていかなければいけないんじゃないかなというふうに思います。効率化だからどんどんやっていい、そういうことなのかということですね。
 例えば、以前、東京の足立区でも戸籍届け業務などを委託したんですけれども、東京法務局からの見直しを求める指示があって、東京労働局からも、偽装請負として、契約、判断基準書、業務手続書でエスカレーションと称する疑義照会が想定されていることへの是正指導がされてきております。
 こういうものが広がっていくと、やはりこういう危惧というのは生まれていくのかどうか、その点をお聞かせいただきたいというふうに思います。

渕上政府参考人 お答えいたします。
 国、地方を通じまして厳しい財政状況のもとで、質の高い行政サービスを効率的、効果的に提供する観点から、民間委託などの外部資源を有効に活用することは重要なことだと認識しております。
 しかしながら、御指摘のように法令違反があってはならないわけでございまして、昨年八月に発出いたしました、地方行政サービス改革の推進に関する留意事項という助言通知がございますけれども、その中の「民間委託等の推進」の項目のところで、まず、「委託先の事業者が労働法令を遵守することは当然であり、委託先の選定に当たっても、その事業者において労働法令の遵守や雇用・労働条件への適切な配慮がなされるよう、留意すること。」そして、「委託した事務・事業についての行政としての責任を果たし得るよう、適切に評価・管理を行うことができるような措置を講じること。」というふうに示しておりまして、御指摘のような法令違反の事態が発生しないように、私どもも助言してまいりたいと思っております。

梅村委員 同じような危惧は、この窓口とともに、学校給食についてもあろうかというふうに思います。
 ただ、学校給食については、今、食育ということで大変現場でも御努力が広がってきていると思いますので、まず、その辺の御努力の方から伺いたいと思います。

藤原政府参考人 お答えいたします。
 学校における食育は、児童及び生徒の望ましい食習慣の形成及び健全な心身の成長を図るために極めて重要なものでございます。そして、学校給食はその中心的な役割を果たすものでございまして、食育の生きた教材として活用されているところでございます。
 文部科学省といたしましては、学校における食育の中核的な役割を担う栄養教諭の配置を促進いたしますとともに、学校教育における食育の内容を体系的に整理し、食事のマナーや正しく食事をすることの大切さといった基本的な内容や、食品の生産、加工、流通、食事と健康の関係、我が国の食文化といった食生活に関連する内容をまとめた教材の作成、配付などを行っております。
 また、さらに、地域と連携し、食育を重点的に推進するモデル校の指定などによりまして、食育の強化充実に努めているところでございます。

梅村委員 そういうのをやっていこうと思えば、やはり調理していらっしゃる方々と栄養教諭との連携というのは、アレルギーの問題だとか地産地消の問題だとか、大変大きくあるというふうに思いますけれども、その関係はどんなふうになっているんでしょうか。

藤原政府参考人 お答えいたします。
 学校給食の業務を民間委託するに当たりましては、学校給食の質の低下を招くことのないように十分配慮するということが必要でございますけれども、これとあわせまして、献立の作成は委託の対象にしないこと、衛生、安全の確保については学校設置者の意向を十分反映できる管理体制を設けること、設置者が必要と認めた場合に受託者に対して運営改善のための措置がとれるようにすること、受託者の選定を行うに当たっては、学校給食の趣旨を十分理解し、円滑な実施に協力する者であることの確認を行うことなどが必要と考えておりまして、こうした指導を行ってきているところでございます。
 また、そうした中で、ただいま先生の御指摘にありましたアレルギーの問題、それから地産地消の問題、そうしたものにつきましても、学校設置者側が委託をするに際しまして、受託会社側に明示をしておくということが必要になってくると考えております。

梅村委員 非常に密な連携が子供たちの健康、命にとっても大事だというふうに思うんですけれども、この分野も、そういうことがありながらも、民間委託ということで、いわゆる請負偽装問題、こういうことがこの間幾つか問題になってきたと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

藤原政府参考人 お答えいたします。
 こうした民間への委託ということに当たりまして、先生御指摘のように、関係法令に則して適切に運営される必要があるというふうに考えておるところでございます。
 また、こうした委託を行う場合でありましても、先ほど申し上げましたように、献立の作成は委託対象にしないということになっているわけでございますけれども、栄養教諭などが、地場産物の活用やさまざまな観点を考慮しながら給食の献立を作成し、また学級担任等と連携をいたしまして、給食の時間等で適切に食育の指導を行ってまいっているものというふうに考えております。

梅村委員 確認なんですけれども、幾つか事例はあるということでよろしいんでしょうか。

藤原政府参考人 具体的な事例については、これはむしろ制度所管官庁の厚生労働省の担当かと思いますけれども、私どもとして具体の事例について現在把握しているわけではございません。

梅村委員 ただ、この間、幾つかもう問題になってきていることだと思います。
 やはり、そもそも学校給食に民間委託がこのままずっと広がることがなじむのかどうかということも、改めて、今食育との関係で問い直さなければいけない、その上で検討していかなければいけないというふうに私は思います。
 そもそも、学校調理の民間委託を実施している市町村は五割強で、やはりそこには、先ほどの業務の関係とともに、現場から、父母や子供たち、地域の人たちから、温かいものを地産地消で、そういう願いがある、そういう取り組みの結果でもあるというふうに思います。
 先日お話を伺ったんですけれども、地方に行けば行くほど、給食が民間委託できるんだろうか、採算がとれないところに業者は入ってきてくれない、にもかかわらず、トップランナー方式で、頑張っている自治体が、そういう算定基準で挙げられ、自力で何とか給食を頑張っているところには光が当たらない、こういうやり方では、やはり地方をさらに痛めつけるものではないか。こういう声も伺ったところです。
 ですので、ぜひ、こういう問題をさらに捉えていただいて、このトップランナー方式というのはやはりやめるべきだと思いますし、安心した住民サービスを広げていただくことを最後に訴えまして、質問を終わりたいと思います。

 ー配布資料ー

民間委託配布資料①

民間委託配布資料②

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