梅村さえこ(日本共産党衆議院議員)-北関東ブロック(埼玉・栃木・群馬・茨城)比例代表選出
政策と提案

力あわせ、未来ひらく ――日本共産党 参議院議員選挙政策

2016年6月9日

「消費税にたよらない別の道」――日本共産党の財源提案   (選挙政策と同時に発表)

野党共闘の勝利と日本共産党の躍進で、安倍政権を倒し、新しい政治をつくろう

民意に背く「安倍暴走政治」の全体にノーの審判、チェンジの意思を示す選挙に……いま、日本の政治は、独裁と戦争への逆流か、立憲・民主・平和の新しい政治か、という歴史的な分かれ道に立っています。

 安倍政権は、憲法違反の安保法制=戦争法を強行し、立憲主義と民主主義をこわす危険な道を暴走しています。同時に、この動きに対して、戦後かつてない新しい市民運動、国民運動が発展し、この運動に背中を押されて野党共闘が大きく前進しています。これは日本の未来にとって大きな希望です。

 安倍首相は、参議院選挙を「アベノミクス選挙」などと言っています。「アベノミクス」の是非は大争点の一つですが、この問題だけに争点を狭めるわけには決していきません。安倍首相は、過去2回の国政選挙を「アベノミクス」一本でたたかい、多数の議席を得ましたが、やったことは数々の憲法破壊の政治でした。こんなことを3度も繰り返させるわけにはいきません。

 この参院選を、民意に背く「安倍暴走政治」の全体――安保法制=戦争法と憲法改定、「アベノミクス」と消費税大増税、TPP協定、原発問題、沖縄基地問題などに、ノーの審判をくだし、チェンジの意思を示していく選挙にしていこうではありませんか。

 日本共産党は、参院選で二つの目標に挑戦します。

 第一は、野党と市民の共闘を成功させることです……この参院選では、全国の32の1人区のすべてで野党統一候補が実現しました。日本共産党は、このすべてで勝利するために、全力をあげます。

 野党4党は、「安保法制廃止、立憲主義を取り戻す」という、国民的大義のもとに結束しています。同時に、野党4党は、国民生活と民主主義にかかわるさまざまな分野での「共通政策」を豊かに発展させています。この間の野党党首会談、野党が共同で提出した15本の議員立法、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の要請などをふまえ、次の諸点が「共通政策」として確認されています。

 ――安保法制を廃止し、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回する。安倍政権のもとでの憲法改悪に反対する。

 ――「アベノミクス」による国民生活の破壊、格差と貧困を是正する。介護・福祉職員の給与引き上げ、保育士の給与引き上げ、ひとり親家庭に対する児童扶養手当の増額、長時間労働の規制、均等待遇と同一価値労働同一賃金、最低賃金の大幅引き上げ、高校完全無償化、給付制奨学金・奨学金債務の減免、被災者生活再建支援法の改正、累進所得税・法人課税と資産課税のバランス回復による公正な税制の実現(タックスヘイブン対策を含む)など。

 ――TPP(環太平洋連携協定)や沖縄問題など、国民の声に耳を傾けない強権政治に反対する。TPP合意に反対、沖縄の民意を無視した辺野古新基地建設の中止、女性に対する雇用差別の撤廃、男女賃金格差の是正、選択的夫婦別姓の実現、国と地方議会の議員の男女同数を目指す、包括的な性暴力禁止法と性暴力被害者支援法の制定、LGBT(性的マイノリティー)差別解消、原発に依存しない社会の実現に向けた地域分散型エネルギーの推進など。

 第二は、日本共産党の躍進を必ずかちとることです……日本共産党は、あらゆる分野で「安倍暴走政治」と真正面から対決して頑張っています。国民の立場にたった責任ある対案を示しています。野党と市民の共闘のために誠実に努力しています。暴走と対決し、対案を示し、共同をすすめる党――日本共産党が躍進してこそ、安倍暴走政治への痛打となり、新しい政治をつくるたしかな力となります。野党と市民の共闘をさらに発展させる力になります。

 日本共産党は、2013年の参議院選挙、14年の衆議院選挙で、大きく躍進させていただきました。日本共産党が、国会での発言力を大きく増したことが、安倍政権を追及し、その危険な中身を国民に明らかにするうえでも、野党共闘をすすめるうえでも、大きな力となりました。議案提案権を使い、ブラック企業規制法案を提出し、これを契機にして、厚生労働省がブラック企業の摘発に乗り出さざるを得なくなるなど、現実政治を動かし、国民の願いを一歩一歩実現してきました。

 あなたの一票で、野党共闘の勝利と日本共産党の躍進をかちとらせてください。新しい政治の希望ある扉を開こうではありませんか。

日本共産党の重点政策

(1)安保法制=戦争法廃止、立憲主義の回復、安倍改憲を許しません

憲法違反の安保法制=戦争法を廃止し、立憲主義を取り戻します

 憲法違反の戦争法廃止の審判を下しましょう……安倍政権は、国民多数の反対の意思も、8割の国民の「審議が不十分」という声も、9割以上の憲法学者の「憲法違反」との厳しい指摘も、いっさい無視して戦争法を強行しました。戦争法強行後も、国民の世論と運動は広がり、「戦争法廃止」の署名は1200万人を超えています。安保法制=戦争法強行後、初めての国政選挙で「戦争法廃止」の審判を下そうではありませんか。

 日本を「殺し、殺される」国にしてはなりません……戦争法には、「戦闘地域」での米軍等への兵站(へいたん)の拡大、戦乱が続いている地域での治安活動、地球上のどこでも米軍を守るための武器使用、集団的自衛権の行使という、自衛隊が海外で武力行使をする四つの仕組みが盛り込まれています。どれもが、憲法9条を乱暴に踏みにじるものです。

 とくに集団的自衛権は、憲法違反の核心部分です。アメリカが、ベトナム戦争やイラク戦争のような先制攻撃の戦争に乗り出したときに、言われるままに集団的自衛権を発動して、侵略国の仲間入りをする――ここにこそ、集団的自衛権行使のもっともな危険な本質があります。

 戦争法が施行されたことによって、戦後はじめて、日本の自衛隊が“海外で外国人を殺し、戦死者を出す”危険が現実のものとなっています。南スーダンのPKO(国連平和維持活動)に派遣されている自衛隊の任務拡大、イラクやシリアでの過激組織ISに対する軍事作戦への自衛隊の参加、アフガニスタンの治安部隊を支援する軍事活動への自衛隊の参加などが、最初の「殺し、殺される」ケースになりかねません。戦争法は一刻も放置できません。その廃止は急務です。

 立憲主義と民主主義を取り戻し、「個人の尊厳」を守り大切にする社会に……安倍政権は、「憲法9条のもとでは集団的自衛権は行使できない」という戦後60年余にわたる一貫した政府の憲法解釈を百八十度覆して安保法制=戦争法を強行するという、立憲主義を破壊する禁じ手に踏み込みました。

 立憲主義とは、憲法によって権力を縛るということです。国会で多数を持つ政権党であっても、憲法の枠組みに反する政治を行ってはならないということです。これが壊されたら、「法の支配」が「人の支配」に代わり、独裁政治が始まることになります。

 立憲主義によって権力を縛ることの究極の目的は、憲法13条が保障している、すべての国民を「個人として尊重」することであり、「個人の尊厳」を擁護することにあります。安倍政権による立憲主義破壊の政治は、「国家の暴走で個人の尊厳を踏みつぶす政治」です。それは、戦争法、秘密保護法、沖縄の米軍新基地建設、原発再稼働、TPP、格差拡大の経済政策など、あらゆる分野で表れています。

 立憲主義を壊し、独裁政治の道をすすむのか、それとも立憲主義と民主主義を取り戻し、「個人の尊厳」を守り大切にする社会を築くのか――いま日本の政治にするどく問われています。

 ――安保法制=戦争法を廃止します。

 ――集団的自衛権行使を容認した閣議決定を撤回し、立憲主義を回復します。

「自民党改憲案」にノーの審判を――変えるべきは憲法をないがしろにする政治です

 安倍首相は「憲法を改正していく。自民党は憲法改正草案を決めている」とし、「(きたるべき国政選挙で)この草案をお示ししていきたい」と公言しています。「自民党改憲案」を許していいのかどうかは、大争点です。

 「自民党改憲案」は、憲法9条2項を削除して国防軍を創設すると明記し、海外での武力行使を無条件で可能にするものです。内閣総理大臣が「緊急事態を宣言」すれば、内閣が立法権を行使し、国民の基本的人権を停止するなど、事実上の「戒厳令」を可能にしています。「公益及び公の秩序」の名で基本的人権を制限できる仕組みに変え、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」とした憲法97条は、丸ごと削除されています。

 これらは「憲法によって権力を縛る」という立憲主義を否定し、「憲法によって国民を縛る」ものに大変質させてしまうものです。「憲法を憲法でなくしてしまう」時代逆行の「自民党改憲案」にノーの審判を下しましょう。

 日本国憲法は、世界でも最先端といっていい先駆的な内容を持っています。憲法9条は、恒久平和主義を徹底した世界に誇る宝です。日本国憲法には、政治的権利とともに、生存権、働く権利などの経済的権利も含め、30条にわたる豊かで先駆的な人権規定が明記されています。変えるべきは憲法ではありません。憲法をないがしろにしてきた政治です。

 ――安倍政権による憲法改悪を許しません。

 ――日本国憲法の前文を含む全条項を守り、平和的民主的条項の完全実施をすすめます。

憲法9条にたった平和の外交戦略を提唱します

 いま日本にもとめられるのは安保法制=戦争法ではなく、憲法9条にたった平和の外交戦略です。

 北朝鮮問題――対話による解決へ、国際社会の一致結束した外交努力を……北朝鮮が、核実験や弾道ミサイル発射を繰り返し強行し、世界の平和と安定への重大な脅威をもたらしています。

 国連安保理は、北朝鮮の行為に対して、これまでにない厳しい制裁措置を決定するとともに、「緊張を悪化させるおそれのあるいかなる行動も差し控える」よう各国に呼びかけ、6カ国協議(日本、韓国、中国、アメリカ、ロシア、北朝鮮)の再開を強く呼びかけています。安保理決議に基づく北朝鮮に対する制裁措置を全面実施し、北朝鮮を対話の場に復帰させる、これが国際社会の共通の認識であり目標です。

 安倍政権は、北朝鮮問題を利用して、安保法制=戦争法を合理化しようとしています。しかし、北朝鮮の軍事挑発に対して、日本が戦争法という軍事で構えたら、軍事対軍事の悪循環に陥るだけです。北朝鮮問題を利用して、戦争法を合理化することには、一かけらの道理もありません。

 ――北朝鮮を6カ国協議という対話のテーブルにつかせ、核・ミサイル開発を放棄させる、国際社会の一致結束した外交努力を強く求めます。

 南シナ海問題――一方的な現状変更と軍事的緊張を高める行動の中止を求めます……南シナ海では、中国が、領有権紛争のある南沙諸島に人工島を造成し、レーダーを設置し、西沙諸島でミサイルや戦闘機を配備し、周辺諸国との間で緊張が高まっています。

 中国の行動は、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国と結んだ「南シナ海行動宣言」(DOC)の「現在無人の島嶼(とうしょ)、岩礁、浅瀬、洲その他のものへの居住を慎む」「紛争を複雑化あるいは激化させ、また平和と安定に影響を与えるような行動を自制する」という規定、みずから署名した約束に反しています。

 ――南シナ海での一方的な現状変更と軍事的緊張を高める行動を中止し、外交交渉による平和的解決に徹することを求めます。

 戦争法への「平和的対案」――「北東アジア平和協力構想」……日本共産党は、つぎの四つの目標と原則からなる「北東アジア平和協力構想」を提唱しています。

(1)北東アジア規模の「友好協力条約」を締結します。

(2)北朝鮮問題は、困難はあっても「6カ国協議」の枠組みで解決をはかります。

(3)この地域に存在する領土に関する紛争問題をエスカレートさせない行動規範を結びます。

(4)日本が過去に行った侵略戦争と植民地支配の反省は、地域の友好と協力のうえで不可欠の土台となります。

 この「構想」は、ASEAN諸国が東南アジアで現に実践している、東南アジア友好協力条約(TAC)のような、あらゆる問題を平和的な話し合いで解決する地域の平和協力の枠組みを北東アジアにも構築しようというものです。

 日本共産党の提唱には、アジア諸国の政府関係者からも共感の声が広がっています。ここにこそ、安倍政権がすすめる安保法制=戦争法に対する、「平和的対案」があります。

(2)格差をただし、経済に民主主義を――三つのチェンジを訴えます

 「アベノミクス」と消費税大増税路線の破たん……安倍首相は、「世界で一番、企業が活躍しやすい国をめざす」と宣言し、「大企業を応援し、大企業がもうけをあげれば、いずれ家計に回ってくる」と言ってきました。しかし、大企業は3年連続で史上最高の利益をあげましたが、働く人の実質賃金は5年連続でマイナスです。5%も下落し、年収400万円程度の労働者だと20万円もの目減りです。

 消費税大増税路線も破たんに陥っています。8%への増税後、日本経済の6割を占める個人消費は冷え込み続けています。5月に発表されたGDP(国内総生産)統計で、個人消費(実質値)は、2014年度、15年度と2年度連続でマイナスとなりました。消費税を5%に引き上げた1997年度、「リーマン・ショック」の2008年度も、個人消費はマイナスになりましたが、翌年にはプラスになりました。2年度連続のマイナスは戦後初めての異常事態です。

 追いつめられた安倍首相は、消費税10%の2年半「先送り」を表明しました。これは「アベノミクス」の失敗、消費税大増税路線の失敗を示すものです。ところが首相は、自らの失政を認めず、「世界経済の危機」に責任を転嫁しています。「アベノミクスを加速させ、消費税を増税する」と、破たんずみの路線にしがみついています。

 格差と貧困が広がっています……「アベノミクス」は、大企業と大株主に莫大(ばくだい)な利益をもたらし、大企業の内部留保は300兆円を超えました。株価の上昇で、200人を超える大株主が、資産を3年間で100億円以上も増やしました。アメリカのフォーブス誌が集計した「日本の富裕層」上位40人の資産総額は、この4年間で7・2兆円から15・4兆円へと、2倍以上にも増えました。

 その一方で、「金融資産ゼロ」の世帯は、3年間で470万世帯も増え、全世帯の35%と、過去最高になりました(日銀のアンケート調査から推計)。

 貧困が新たな広がりをみせています。失業や病気などで所得が減れば、たちまち生活が行き詰まり、多くの国民が貧困に陥る危険と隣り合わせで暮らしています。ほんの一握りの超富裕層と、99%の国民との間の大きな格差が生じる、そして、国民の生活全体が悪化し、生活不安、社会不安が重くのしかかり、貧困が広がる――これが「アベノミクス」が日本社会にもたらしたものです。

 「アベノミクス」ストップ、格差をただし、経済に民主主義を確立するために、日本共産党は、「三つのチェンジ」を訴えます。

第1のチェンジ――税金の集め方を変える

消費税10%増税は「先送り」でなく、きっぱり断念を。富裕層と大企業への優遇税制をやめ、応分の負担を求めます

 消費税10%は断念すべきです……安倍首相は、2度も消費税10%増税の「先送り」に追い込まれました。消費税大増税路線は、完全に行き詰まっています。

 消費税の増税は、必ず消費を冷え込ませ、景気を悪化させます。消費税は低所得者ほど負担が重く、その増税は、格差をいっそう拡大し、日本経済のゆがみをさらに広げます。「社会保障のため」と言って増税しましたが、社会保障は悪くなるばかりでした。消費税増税を「先送り」しても、それを実施すれば、同じ誤りを繰り返すだけです。

 ――消費税10%への増税は、「先送り」実施でなく、きっぱり断念すべきです。

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大企業への優遇税制をただし、中堅・中小企業並みの税負担を求めます

 日本共産党は、「税金は所得や資産など負担能力に応じて」の原則にたった、公正で民主的な税制への改革をすすめます。まず、「アベノミクス」で大もうけした富裕層や大企業を優遇する不公平税制をただすことを求めます。

 法人税率は一律のはずですが、実際の負担率は大企業ほど低くなり、大企業の平均は利益に対して12%、巨大企業が使っている連結納税法人だと6・3%にすぎません(2014年度実績)。研究開発減税などの租税特別措置、受取配当益金不算入、連結納税など、もっぱら大企業だけが利用できる特権的な優遇税制があるからです。

 ――研究開発減税、受取配当益金不算入、連結納税など、もっぱら大企業しか利用できない優遇税制をただし、大企業に中堅・中小企業並みの税負担を求めます。

 ――法人税減税を中止します。安倍政権が行った法人税減税を元に戻します(中小企業を除く)。

 ――これによって6兆円の財源が生まれます。

富裕層への優遇税制をただし、適正な課税を行います

 所得税は累進税率で、所得が多いほど税率が高いはずなのに、所得が1億円程度以上の富裕層になると、逆に負担率が下がってしまいます。

 こんなことになるのは、富裕層の所得は株式売却などのもうけが多くを占めていて、これに対する税率が低いからです。日本では、富裕層の株式配当や売却益に対する税率は、所得税だけなら15%、住民税を合わせても20%にすぎません。欧米主要国が30~40%なのと比べると、まさに「株主天国」です。

 ――配当は他の所得と合算して総合課税し、富裕層には最高税率を適用します。株式売却益にも欧米なみに富裕層には30%の課税をします。

 ――引き下げられた所得税・住民税の最高税率(現行55%)を、98年以前の65%に戻します。相続税・贈与税の最高税率(現行55%)も、70%に戻します。 

 ――相続税評価額で5億円を超える資産を持つ富裕層(全世帯の0・1%程度)の5億円を超える資産に対して、1~3%程度の累進の低率で毎年課税する「富裕税」を創設します。

 ――富裕層への適正な課税を行えば3兆円以上の財源が確保できます。

タックスヘイブンを利用した「税逃れ」を徹底追及します

 大企業や富裕層が、税金が課税されないか税率が極めて低い国・地域(タックスヘイブン=租税回避地)にペーパーカンパニーをつくり、「税金逃れ」や「資産隠し」をしていることが、世界で大問題になっています。

 日本の銀行や商社など多くの大企業も、タックスヘイブンに子会社をつくっています。所得税も法人税もゼロのケイマン諸島への日本の対外投資残高は、昨年末時点で76兆円と10年前の2倍ですが、どのように課税されているのかは明らかにされていません。

 富裕層も、タックスヘイブンを利用しています。企業のオーナーが本人名義で自社の株式を保有していれば、その配当に5割近い税金がかかりますが、香港、シンガポール、オランダなどに設立した資産管理会社に株式を移転すれば、配当への課税が5~10%程度に軽減されてしまいます。

 大企業や富裕層の「合法的税逃れ」を許してはなりません。「逃げた」ものは追いかけてつかまえる、そのための法整備や国際的な協力体制が急がれます。

 ――タックスヘイブン税制(子会社がタックスヘイブンにある場合には、子会社の所得を親会社に合算して税金を計算する制度)の適用要件を拡大します。

 ――タックスヘイブンに子会社をつくっている親会社の調査と公表など、実態を徹底調査して公表する情報公開をすすめます。

 ――国際的な「税逃れ」を許さないための世界各国の協力は不可欠であり、それを積極的に推進します。

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第2のチェンジ――税金の使い方を変える

社会保障、子育て、若者に優先して税金を使う

 自公政権は、社会保障予算の増加が財政悪化の原因であるかのように宣伝し、社会保障を削減しながら、軍事費や大型公共事業へのバラマキをつづけています。

 しかし、日本の社会保障支出(国民1人当たり)はOECD加盟34カ国中17位、教育への公的支出は先進国で最下位、保育・幼児教育への公的支出はイギリス、フランスの半分以下です。

 国民から集めた大切な税金は、社会保障、子育て、若者への支援など、国民の暮らしと日本の将来に役立つ支出に優先して使うべきです。

社会保障削減を中止し、拡充へと転換します

 安倍政権は、発足後の4年間で1兆3200億円もの社会保障予算の「自然増」を削減し、年金支給の連続削減、70~74歳の医療費窓口負担の引き上げ、要支援者のヘルパー・デイサービスの保険給付外し、介護報酬の大幅削減、生活保護費の切り下げなど、社会保障を連続改悪してきました。「社会保障のため」といって消費税増税しながら社会保障を大削減する、これは国家的詐欺に等しいやり方です。

 今後も毎年3000億~5000億円の「自然増」削減を続ける(「骨太の方針」)とし、年金支給削減、後期高齢者医療保険料の大幅引き上げ、要支援者に続いて「要介護1・2」も保険給付外にする介護保険の大改悪などを、参院選後の国会に提出しようとしています。

 日本共産党は、連続改悪でズタズタにされた年金・医療・介護・福祉を立て直し、憲法25条が定める生存権保障にふさわしい制度へと改革していきます。

 ――年金削減をストップし、低年金を底上げして、“減らない年金・頼れる年金”を実現します。最低保障年金制度をめざします。

 ――国の責任で、高すぎる医療費の窓口負担、国民健康保険料(税)の軽減をすすめます。後期高齢者医療保険料の値上げに反対し、高齢者差別の制度を廃止します。

 ――診療報酬の引き上げや医師・看護師の計画的増員により「医療崩壊」を打開します。保険外負担・混合診療の拡大をやめ、保険診療を拡充します。

 ――特養ホームなど介護施設の抜本的増設で、待機者問題を解消します。介護保険料・利用料の負担減免をすすめ、削減された介護報酬を引き上げ、介護・福祉労働者の賃上げと労働条件の改善をはかります。

 ――障害者・児の福祉・医療の「応益負担」を撤廃し、無料化をすすめます。

 ――保護費削減や申請の“門前払い”の強化など生活保護の切り捨てをやめさせ、国民の生命と人権をまもる仕組みに改善・強化します。

 ――雇用保険の拡充、失業者への生活援助、再就職支援の強化をすすめます。

子育てを支援する政治を――認可保育所の緊急増設、子ども医療費の無料化

 保育園待機児問題の解決……認可保育所の決定的な不足と、労働条件が悪いことによる保育士不足が待機児問題の最大の原因です。ところが、安倍内閣の「子育て支援」策は、保育の質の低下をもたらす「規制緩和」による「詰め込み」と認可保育所以外の「受け皿」の拡大などで、認可保育所の増設は一言もありません。保育士不足も、「多様な保育士」「保育補助員」など、人件費の安い非正規・無資格の職員で対応するというのです。

 日本共産党は、待機児童問題の解決のため、根本的な解決策に緊急にとりかかることを提案します。

(1)30万人分(約3000カ所)の認可保育所を緊急に増設します。

 ――国・自治体が先頭にたって公立保育所を増設します。

 ――国による新たな財政支援の制度を創設して、保育所の建設・分園設置・改修などを補助し、廃止された運営費の国庫負担分を復活します。

 ――認可保育所の建設に国有地を無償供与するなど、用地確保を国が支援します。

 ――地域の保育ニーズと待機児童の実態を、自治体と国がつかみ、対策をすすめます。

(2)保育士の賃上げ、配置基準の見直しで労働条件を改善します。

 ――野党共同で提出した保育士賃上げ法案(月額5万円アップ)を成立させ、さらに5年間、毎年、月額1万円の賃金アップをすすめて、合計10万円の賃上げをはかります。

 ――保育士の配置数の適正化と国の運営費(公定価格)の引き上げで、保育士の労働条件を改善します。保育士の専門性にふさわしい処遇にします。

 ――非正規の保育士の「使い捨て」をやめ、正規雇用化をすすめます。

(3)学童保育の待機児を解消し、指導員の処遇を改善します。

 ――学童保育を増設し、待機児や大規模化によるつめこみを解消します。すべての学童保育で6年生まで利用できるようにします。

 ――学童保育と放課後子ども教室は、それぞれの制度として拡充、連携をはかります。

 子どもの医療費無料化を国の制度にします……すべての市区町村で、子ども医療費の助成事業が実施されていますが、所得制限や対象年齢など自治体による格差が大きな問題になっています。しかも、国は、子どもの医療費無料化を行う自治体に国民健康保険の予算を減額するというペナルティーを科しています。こうした姿勢を抜本的にあらため、国による子ども医療費の助成制度をつくるときです。

 ――小学校就学前の子どもの医療費を所得制限なしで無料化する国の制度を創設します。その共通の制度の上に、全国に広がった自治体独自の助成制度をさらに前進させます。

 ――子どもや障害者の医療費無料化(現物給付)を行っている自治体の国保に対する、国庫負担の減額調整のペナルティーをやめさせます。

未来を担う若者のために――大学授業料を10年で半額に、給付制奨学金の実現を

 日本は、大学の学費が世界有数の高さでありながら、給付制奨学金がないという、特異な国となっています。日本の奨学金は学生に借金をさせる「学生ローン」であり、利用した学生は、平均でも300万円、大学院進学など多い人では1000万円もの借金を負わされています。奨学金が若者を借金苦と貧困に引きずり込む、こんな社会に未来はありません。日本共産党は、大学授業料の半額化計画と奨学金制度の抜本的改革を提案します。

(1)大学授業料を毎年引き下げ、10年間で半額にします。

 ――国立大学への国の交付金を毎年1%程度(約160億円)ずつ増やし、現在、年53万円の授業料を、10年後には26万円にまで引き下げます。

 ――国の私学助成に学費値下げ用の緊急枠をつくり、毎年900億円程度の国費を投入することで、平均で年86万円の私大授業料を、10年後には半分の額まで引き下げます。

 ――公立大学にも、10年で授業料を半額にするための助成を実施します。

(2)「学生ローン」から本物の奨学金へ――三つの奨学金改革をすすめます。

 ――月額3万円の給付制奨学金を、現行の奨学金受給者の半分にあたる70万人の規模で創設します。

 ――すべての有利子奨学金を無利子にします。

 ――既卒者の奨学金返済の減免制度をつくり、生活困窮の人に救済措置を講じます。

大軍拡、大型開発など、無駄づかいをあらため、くらしにまわします

 安倍内閣は、軍事費を4年連続で増やし続け、史上初めて5兆円を突破しました。米軍関連経費も史上最高額で、条約上の義務のない「思いやり予算」(SACO・米軍再編関係費を含む)は3749億円と、中小企業対策費の2倍、文教施設費の4倍にのぼり、米兵1人当たり768万円にもなります。

 安倍政権は、公共事業費も4年連続で増額させています。「国際競争力の強化」を看板にした三大都市圏環状道路や国際コンテナ戦略港湾、リニア新幹線など大型開発事業偏重の無駄づかいや原発推進予算など、歳出の浪費にメスをいれます。

 ――条約上の義務のない、米軍への「思いやり予算」を廃止します。

 ――海外派兵用の兵器購入を中止するなど、大軍拡から軍縮へと転換します。

 ――大型公共事業、原発推進予算など、歳出の浪費をただします。

第3のチェンジ――働き方を変える

ブラックな働き方をなくし、人間らしく働けるルールを

 安倍首相は、「同一労働同一賃金」とか「長時間労働の是正」を言い出しましたが、それが本気なら、派遣法改悪や裁量労働制などの労働法制の規制緩和路線を撤回し、転換することが必要です。「残業代ゼロ法案」を国会に提出しながら、「長時間労働の是正に向けて背中を押していく」などというのは「ブラックジョーク」です。

 日本共産党は、ブラックな働き方をなくし、だれもが人間らしく働ける労働のルールを確立します。

長時間労働をなくし、安定した雇用を創出します

(1)残業時間を法律で制限し、長時間労働を是正し、「過労死」をなくします。

 ――残業時間の上限を法律で規制し、終業から翌日の始業まで最低11時間空けるインターバルの確保など労働基準法を改正します。

 ――「残業代ゼロ法案」に断固反対し、廃案をめざします。

(2)ブラック企業、ブラックバイトをなくします。

 ――違法な「サービス残業」が発覚したら残業代を2倍にして払わせるなど、「ただ働き」を根絶します。

 ――離職者数や過去の労働法違反の経歴など、労働条件や職場環境の実態がわかる企業情報を公開させます。

 ――パワハラ行為を行った企業には、労基署などが助言、指導、勧告を行い、勧告に従わない企業名を公表します。

(3)雇用のルールを強化し、非正規から正規への流れをつくります。

 ――労働者派遣法を抜本改正し、派遣労働は臨時的・一時的業務に限定して、正社員の派遣労働への置き換えをなくします。

 ――同一労働同一賃金、均等待遇を、労働基準法、男女雇用機会均等法、パート労働法、労働者派遣法に明記するなど、非正規への不当な差別・格差をなくします。

最低賃金は、1500円をめざし、いますぐどこでも1000円に

 最低賃金の抜本的な引き上げは、消費に直結する即効性のある経済対策です。アメリカでは、最低賃金が高い州の方が景気が良いことが実証され、経営者からも最低賃金の引き上げ要求が出されています。中小企業への支援を行いながら、最低賃金の抜本的な引き上げをすすめます。

 ――最低賃金をいますぐどこでも時給1000円に引き上げ、さらに1500円をめざします。

 ――社会保険料減免や賃金助成など、中小企業の賃上げに本格的な支援を行います。

 ――最低賃金の地方間格差を是正し、全国一律最低賃金制に踏み出します。

「消費税にたよらない別の道」で財源を確保します

 日本共産党は、「消費税にたよらない別の道」で、社会保障財源をつくり、財政危機打開の展望を開く、二つの改革を提案しています。

 第一は、富裕層や大企業への優遇をあらため、「税金は所得や資産など負担能力に応じて」の原則をつらぬく税制の改革です。

 大企業に中堅・中小企業並みの税負担を求めることで6兆円、富裕層への適正な課税で3兆円以上の財源をつくることは、この改革の第一歩です。

 将来的には、社会保障の抜本的拡充のために、富裕層、大企業だけでなく、国民全体で支えることが必要ですが、その場合にも、低所得者に重い消費税ではなく、所得税を中心として「能力に応じた負担」の原則をつらぬきます。

 こうした不公平税制を改める税制改革とともに、軍事費、大型開発、政党助成金などの歳出の浪費を削減する財政改革をすすめれば20兆円以上の財源を確保することができます。

 第二は、国民の所得を増やす経済改革で、税収を増やすことです。

 国民の所得が増え、中小企業を含む企業経営全体が改善していけば税収も増えます。300兆円にも膨れ上がった大企業の内部留保を日本経済に還流させるために、大幅賃上げと安定した雇用を増やし、下請け企業の納入単価引き上げなどをすすめるなど、国民の所得を増やす経済改革にとりくみ、税収や社会保険料収入を増やします。

 先進国では普通の「名目2%」程度の経済成長を実現できれば、現行の税制を前提としても、10年後には20兆円以上の税収を増やすことができます。

 この二つの改革をすすめれば、消費税にたよらなくても、社会保障の財源を確保し、財政危機を打開することができます。

 財界献金と無縁な日本共産党を躍進させてこそ……この「三つのチェンジ」は、経済政策の舵(かじ)を、財界応援から、国民の暮らし応援へと切り替えることになります。財界献金と無縁な日本共産党を躍進させることこそ、「経済に民主主義を」という改革の提案を実行するたしかな力となります。

(3)TPPに断固反対します―― 食の安全・安心と地域経済に責任を持つ政治に

ウソとゴマカシでのTPP協定強行に反対します

 安倍政権は通常国会でのTPP協定の批准を先送りしましたが、選挙後の臨時国会で強行をねらっています。そのために、二つのウソで国民を欺こうとしています。

 「聖域を守った」というウソ……一つは、「聖域を守る」とした「国会決議」を完全に踏みにじったことです。「国会決議」では農産物の重要5項目(コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖)は、「関税撤廃を認めない」としています。ところがTPP協定では重要5項目のうち3割の品目で関税が撤廃され、残る7割でも関税率引き下げなどが行われ、「無傷な品目は一つもない」ことが明らかになりました。しかも発効7年後には、日本だけが、残った関税の撤廃に向けた協議を約束しました。こんな協定に調印しておきながら、「聖域を守った」などというのは、国民への大ウソというほかありません。

 深刻な農業・地域経済への打撃を「ない」と言い張る……もう一つは、TPPによる農業や関連産業、地域経済への深刻な打撃を、「ない」として正反対に描きだす、まやかしの「経済効果試算」です。3年前に安倍内閣が発表した試算では、TPPによるGDPの押し上げ効果は3・2兆円、農林水産物の生産額は3兆円の減少でした。ところが昨年12月に発表された「試算」では、GDPの押し上げ効果は14兆円と4倍に膨らみ、農林水産物へのマイナス効果は1300億~2100億円と20分の1となりました。TPPが発効しても農産物の国内生産量は減少せず、食料自給率も低下しないという、あり得ない前提にたっています。まやかしの「試算」で国民を欺き、TPP協定を押し通すことは許されません。

巨大多国籍企業の利益のために、経済主権も投げ捨てる

 TPPは、アメリカを中心とする巨大多国籍企業の利潤追求のために、関税を撤廃し、食の安全、医療、雇用、保険・共済、国・自治体の調達など、あらゆる分野の「非関税障壁」を撤廃するというものです。しかも、ISD条項(投資家・国家間の紛争解決条項)によって、多国籍企業が政府や自治体の施策に介入・干渉する「権利」を保障しています。

TPP協定に断固反対、農林水産業、中小企業の振興にとりくみます

 ――米国を中心とする巨大多国籍企業に日本を丸ごと売り渡す、亡国のTPP協定の国会承認に断固反対してたたかいます。各国の経済主権、食料主権を尊重した、平等・互恵の投資と貿易のルールをつくることを強く求めます。

 ――農産物の価格保障・所得補償を抜本的に強化し、安心して再生産できる農業をつくります。公共建築への国産材利用促進など林業振興策をすすめます。魚価安定対策の強化や資源管理型漁業など、漁業経営をささえます。先進国最低レベルの39%まで落ち込んだ食料自給率を50%まで引き上げることを目標にすえて、農林水産業を再生させます。

 ――中小企業を日本経済の根幹にふさわしく振興します。大企業と中小企業との公正な取引のルールを確立し、中小企業で働く人の賃金格差をなくします。中小企業全体を視野に入れた振興・支援策に転換し、国の中小企業予算を1兆円に増額します。

(4)原発ゼロの日本に、再生可能エネルギー先進国をめざします

原発再稼働のために福島事故を「終わったこと」にする政治は許せません

 福島原発事故から5年余りたっても、福島県ではなお、9万2千人が避難生活を余儀なくされています。故郷を奪われ避難生活が長引くもとで、被害が深刻化しているにもかかわらず、賠償が打ち切られようとしています。

 福島第1原発は、「収束」とは程遠く、溶け落ちた核燃料の位置や状態はいまだ把握できず、破壊された原子炉建屋への地下水などの流入により、核燃料から溶け出した放射性物質を含む汚染水が増え続けています。

 こうした福島の深刻な現状にもかかわらず、安倍政権が、原発再稼働や原発輸出のために、福島原発事故を「終わったこと」にしようとしていることは絶対に許せません。

 ――被災者を分断する上からの「線引き」や「打ち切り」の押しつけをやめ、完全賠償と徹底した除染をすすめます。すべての被災者が生活と生業(なりわい)を再建できるまで、国と東京電力が責任をもって支援することを強く求めます。

 ――東電まかせにせず、国の責任で、福島原発事故の収束に全力をあげること、徹底した情報公開を求めます。困難な作業にあたっている労働者の労働条件を改善します。

 ――子どもたちをはじめ、福島県民の健康をまもるため、国が責任をもって長期の健康診断を実施します。

原発固執政治は破たんしています

 安倍政権は、原発を「重要なベースロード電源」(「エネルギー基本計画」)とし、2030年度の発電電力量のうち20~22%を原発で賄う(「長期エネルギー需給見通し」)ために原発の再稼働に突き進んでいます。しかし、こうした「原発固執政治」は、大きな破たんに陥っています。

 国民多数の意思に反した再稼働……どんな世論調査でも、再稼働反対は5~6割と、揺るがない多数派です。「異質の危険」が明らかとなった福島原発事故を体験した国民の中では「原発安全神話」は完全に崩壊しました。約2年にわたって「稼働原発ゼロ」となり、日本社会は原発ゼロでもやっていけることが明らかになりました。

 原発という技術システムの行き詰まり……「核のゴミ」(使用済み核燃料)の問題は、文字通り八方ふさがりです。原発を再稼働すれば、計算上わずか6年で、すべての使用済み核燃料貯蔵プールが満杯になります。再処理をした場合は、年間8トンものプルトニウムが出てきます。すでに日本は国内外に47・5トンものプルトニウムを保有していますが、核拡散防止の観点から利用目的のないプルトニウムの保有はできません。

 国民の意思に反するという点でも、原発という技術そのものが行き詰まっているという点からも、原発固執政治は破たんしており、「原発ゼロ」への決断こそ求められています。

 ――「原発ゼロ」の政治決断を行い、原発の再稼働を中止し、すべての原発で廃炉のプロセスに入ります。川内原発を停止します。

 ――核燃料サイクル(プルトニウム循環方式)からただちに撤退します。高速増殖炉「もんじゅ」、再処理工場などの関連施設は廃止します。

2030年までに電力の4割を再生可能エネルギーで      

 再生可能エネルギーの普及は世界の大きな流れです。「原発ゼロ」に踏み出したドイツでは、再生可能エネルギーが2015年に発電量の30%に達しました。

 日本の再生可能エネルギーによる電力供給は1割程度にすぎません。電力会社は、「電力が不安定になる」と言って、再生可能エネルギー接続を制限・拒否し、政府もこうした電力会社の姿勢を容認・支援しています。「原発固執政治」が、再生可能エネルギー普及の最大の障害となっています。

 日本共産党は、2030年までに電力の4割を再生可能エネルギーでまかなうという目標をもって取り組むことを提案します。これは世界の再生可能エネルギー先進国に追いつくための最低限の目標です。その際、乱開発にならないよう地域環境に配慮しながら推進することが必要です。この道は、温室効果ガスの排出削減、地域経済の振興と雇用創出、エネルギー自給率の向上にとっても大きな効果があります。

 ――2030年までに電力の4割を再生可能エネルギーでまかなう目標をかかげ、省エネ・節電の徹底と、再生可能エネルギー大幅導入の計画を立てて、実行していきます。

 ――電力会社による再生エネルギー「買い取り拒否」をやめさせます。再生可能エネルギーの安定供給のために、広域的な送電網の整備や揚水ダムの活用など、調整システムの確立の条件を整備します。家庭や市民共同のとりくみに、適正な買い取り価格を保障します。

 ――環境保全や住民の健康に配慮しながら計画的に推進します。

各国・地域の再生可能エネルギー電力目標
EU 2030年 45%
 ドイツ 2025年 40~45%
 フランス 2030年 40%
 スペイン 2020年 40%
米カリフォルニア州 2030年 50%

(5)基地のない平和な沖縄を―― 米軍新基地建設押しつけを中止します

 6月5日に投開票された沖縄県議選で、翁長知事与党が躍進、安定した過半数を確保し、日本共産党も5議席から6議席へと躍進しました。辺野古新基地建設を許さない「オール沖縄」の意思が、あらためて日米両政府に突きつけられました。

日米地位協定の見直しもせず、基地建設強行を確認した日米首脳会談         

 元海兵隊員による残忍な事件を契機に、「全基地撤去」の声が大きくなっています。沖縄県議会は、初めて海兵隊の撤退を明記して、米軍基地の大幅な整理・縮小を求める決議を全会一致で採択しています。

 にもかかわらず5月25日の日米首脳会談で、安倍首相は、基地撤去はおろか、米軍犯罪の温床となっている日米地位協定の見直しも求めませんでした。そればかりか、辺野古新基地建設を「唯一の選択肢」と推進を誓約したのです。沖縄県民の怒りも痛みもわからない安倍首相に、主権国家の代表者たる資格はありません。

民主主義国家であるなら、新基地建設を断念し、米国と交渉すべきです        

 国と沖縄県は、福岡高裁那覇支部の「和解案」を受け入れ、辺野古での埋め立て工事は中止されています。埋め立て工事の中止は、「オール沖縄」の声が、日米両政府を追い詰めたことを意味します。

 福岡高裁那覇支部の「和解勧告文」は、「沖縄対日本政府という対立の構図」を地方自治法の「精神にも反する状況」と断じ、「沖縄を含めオールジャパンで最善の解決策を合意して、米国に協力を求めるべきである。そうなれば、米国としても、大幅な改革を含めて積極的に協力をしようという契機となりうる」としています。

 政府は、要求する相手を間違えています。沖縄県民に対して新基地建設を押しつけるのではなく、米国に対し、「オールジャパン」で普天間基地を無条件に返せと要求すべきです。

 いやしくも民主主義国家を標ぼうするならば、安倍政権は、県議会選挙に示された県民の意思を重く受け止めて、新基地建設をきっぱり断念すべきです。

 ――沖縄県民の民意を無視した辺野古新基地建設を中止します。

 ――普天間基地の無条件撤去を求めます。

 ――米軍に不当な特権を与えている日米地位協定を抜本改正します。

 ――基地のない平和で豊かな沖縄をつくります。

(6)女性の尊厳、人権の保障、自由と民主主義を発展させます

女性への不当な差別、格差をなくし、女性が個人として尊重される社会に

 日本の男女平等の到達は、発達した資本主義国のなかでもっとも遅れています。ところが、安倍政権がいう「女性の活躍推進」には、そのカナメとなる男女の賃金格差の是正や女性に対する差別の撤廃の政策はなく、もっぱら財界・大企業が要求する「成長戦略」のために、都合よく「女性を活用」するというものでしかありません。

 ――男女賃金格差・昇進昇格差別などの是正をはかり、職場での男女平等をすすめます。

 ――法律的にも社会的にも、個人としての尊厳、女性の人権が守られる社会をつくります。民法を改正し、選択的夫婦別姓を導入します。DV、性暴力被害の防止、被害者の保護と支援を充実させます。

 ――あらゆる政策・意思決定の場に女性の平等な参加を保障します。国会と地方議会の議員の男女同数をめざします。

言論・表現の自由を守ります。ヘイトスピーチを根絶します

 安倍政権による放送の自由、言論の自由への権力的介入は重大です。高市早苗総務相が、放送内容を「政治的不公平」と判断した場合は放送局の電波を停止できると発言し、それを内閣があげて擁護しているのは大問題です。

 ――放送・報道への政府による権力的な介入に断固反対します。

 ――行政による「政治的公平」を口実にした市民の言論・表現活動や集会への不当な介入を許しません。

 ――秘密保護法を廃止します。

 ――民族差別をあおるヘイトスピーチを根絶します。超党派で成立させた「ヘイトスピーチ解消法」も活用して、政府が断固たる立場にたつことを求めます。

民意が届く選挙制度に改革します     

 ――“民意を削減する”国会議員定数の削減に反対します。

 ――多くの「死に票」が生まれ、投票した過半数の民意が切り捨てられる小選挙区制を廃止します。

 ――参議院、衆議院ともに、民意を正確に反映する比例代表中心の選挙制度に改革します。

 ――カネで政治をゆがめる企業・団体献金(企業・団体によるパーティー券購入を含む)を禁止します。

 ――政党助成金を廃止します。

教育の自主性を守り、子どもの豊かな成長を保障する教育に   

 教育は子ども一人ひとりの幸せ、成長と発達のためにあります。教育を受けることは、何よりも子ども自身の権利として保障されなければなりません。ところが日本では、家庭の収入によって子どもの進路にも格差が生まれています。また、教育に政治や行政が権力的に介入することは、その自主性・創造性を損なうものであり、厳にいましめるべきです。安倍政権がすすめる「道徳の教科化」や、高校生の自主的活動を「教育の中立」の名で抑制しようとする動き、学問の軍事利用を推奨する「軍学共同」、国歌斉唱・国旗掲揚の押しつけなどは、教育の自由・学問の自由と真っ向から対立し、教育の自主性と豊かな発達保障を損なうものであり、許されません。 

 ――すべての子どもたちの「人格の完成」を教育の根本目標にすえた、教育の民主的改革にとりくみます。

 ――教育の国家統制を許さず、教育の自由、自主性を守り抜きます。

 ――高校生の政治活動禁止・制限に反対し、主権者としての自由を守ります。

 ――教育費負担の軽減、少人数学級など教育条件の整備にこそ政治が責任をはたすべきです。教職員の多忙化・非正規化を解決し、専門職として待遇の抜本的改善をはかります。

 ――政府による大学への干渉をやめさせ、「大学の自治」を尊重します。

 ――基礎研究を重視し、科学、技術の調和のとれた発展と国民本位の利用をはかります。軍学共同に反対し、科学・技術の利用には非軍事と「公開、自主、民主」の原則をつらぬきます。

(7)災害から国民の生命と財産を守る政治に

 東日本大震災から5年がたちました。熊本では、震度7の地震が2度連続し、その後、1700回近くの余震が続くという、前例のない地震災害が起きました。豪雨や台風による水害、火山噴火による災害も続発しています。災害から生命と財産を守ることは政治の重要な使命です。

被災者の生活と生業の再建を支援します  

 被災者が、自力で歩き出せるようになるまで国が支援する、不幸にして大きな災害に遭っても、生活と生業の再建への展望が持てる、そういう社会になってこそ、災害に強い日本と言えます。

 ――被災者生活再建支援法の支援金を300万円から500万円に引き上げるとともに、対象を半壊などにひろげます。

 ――自宅避難者をふくめ当面の生活の維持への支援を行います。

 ――地域経済とコミュニティーの担い手である中小商工業者の事業の再建支援は、金融に限定せず事業所や事業用施設・設備再建を直接支援の対象にします。農畜産業、漁業、林業においても、農地の補修、畜舎、漁港の再建はじめ壊された施設・設備の再建・改修の支援を強化します。

 ――被災者の自立にとって大きな障害となっている既存ローンの負担を軽減します。

 ――被災住宅の被害判定は、浸水被害、液状化などの宅地被害にも対応し、失われた住宅としての機能を反映した判定基準とします。

災害に強い社会と国土に、防災・減災のまちづくりを      

 防災対策は、災害が発生した後の応急対策や復旧・復興対策だけでなく、災害の発生を抑え、被害の拡大を防止するための予防対策を重視した対策が必要です。

 ――防災を無視した乱開発をやめ、必要な防災施設の整備と安全点検を徹底するなど防災まちづくりをすすめます。事前の防災アセスメントの導入による災害の危険を無視した開発行為を規制します。

 ――観測体制の整備をすすめ、消防や住民などを中心とした地域の防災力や自治体の防災体制を強化します。

 ――熊本地震の教訓などもふまえ、耐震基準の適切な見直しをすすめます。

日本共産党の躍進で、新しい政治、新しい政府をつくろう

 この参議院選挙で、日本共産党は、野党共闘の成功のために力をつくすとともに、党の躍進を必ずかちとるために、全力をあげて奮闘します。なぜ、日本共産党なのか。私たちの党の三つの値打ちを紹介します。

(1)安倍政権の暴走に確かな足場をもって対決し、政治を変える展望を示す党

 日本共産党が、安倍政権の暴走と真正面から対決できるのは、自民党政治にかわる新しい政治のしっかりした展望をもっているからです。

 安保法制=戦争法の本質は、日米軍事同盟(日米安保条約)のこれまでとは質的に違う侵略的強化を取り決めた、日米「新ガイドライン」(防衛協力のための指針)の具体化にあります。戦争法を廃止することは、日米軍事同盟を絶対化する「アメリカいいなり政治」から抜け出す第一歩となります。それを実行するためには、日本国民多数の世論と支持を背景に、この法制にしがみつく内外の抵抗を打ち破る決意が必要です。

 日本共産党は、「アメリカいいなり政治」の根源である日米安保条約を、国民多数の合意で廃棄し、本当の独立国といえる平和日本を築くことを大目標としています。この党の躍進は、戦争法を廃止する確かな力となります。沖縄の米軍基地問題を根本的に解決していくうえでも大きな力となります。

 格差拡大の「アベノミクス」から国民の暮らし最優先の経済政策に転換するためにも、原発固執政治から抜け出すためにも、「財界・大企業優先」の古い政治にメスを入れることが必要です。大企業・財界の横暴な支配をやめさせ、国民の暮らしを守る「ルールある経済社会」をめざす日本共産党の躍進は、その最大の保障となります。

(2)国民の共同、野党の共同を何よりも大切にし、共同の力で政治を変える党

 日本共産党は、党の綱領で、どんな社会の改革も国民の共同の力ですすめるという大方針をかかげ、共同の力で政治を変えることを追求してきました。この立場で、野党と市民の共闘の前進のために誠実に努力してきました。

 この間、私たちは、野党共闘を前進させるために、二つの大きな決断をしてきました。

 第一は、戦争法が強行された9月19日に「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」を提唱し、野党の全国規模での選挙協力という、党の歴史上でも初めての方針を打ち出したことです。立憲主義の破壊という非常事態と、「野党は共闘」という市民の切実な願いを受け、従来の方針を思い切って発展させる必要があると考え、この提案を行いました。この提案は、今日の野党と市民の共闘の前進への貢献になったと考えます。

 第二は、2月19日の5野党党首会談の合意を受けて、「参院1人区では思い切った対応を行う」と表明したことです。私たちが擁立した候補者の「かなりの人をおろす」という決断をしてでも、野党共闘を前進の軌道にのせなくてはならないと考えました。これが、全国32の1人区での野党共闘の実現につながったと考えます。

 日本共産党の野党共闘の方針が、現実を動かす力を発揮できたのは、2013年の参院選と、14年の総選挙で躍進させていただいたおかげです。日本共産党がさらに躍進し、政界での力を大きくすることは、野党と市民の共闘を前進させる確かな力となります。「力あわせ、未来ひらく」――日本共産党を大きく伸ばしてください。

(3)安倍政権に代わる責任ある政権構想=「国民連合政府」を提唱する党

 日本共産党は、安倍政権に代わる責任ある政権構想――「国民連合政府」を提唱しています。本気で戦争法を廃止し、集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を実行しようとすれば、政府が必要になります。本気で安倍政権を倒そうとすれば、倒した後の政権構想を示すことが必要になります。まだ野党間で、政権問題の合意には至っていませんが、どの野党にも問われる問題です。

 私たちは、「戦争法廃止、立憲主義回復」の一点で一致するすべての政党・団体・個人が共同して、「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」を樹立することを呼びかけています。この政府は、「戦争法の廃止、立憲主義回復」の一点を基礎とした政府ですから、暫定的な性格を持った政府ですが、他の国政上の課題についても、「相違点は横に置き、一致点で合意形成をはかる」という原則で対応するなら、国民に責任を持った政権運営が十分可能だと考えています。

 私たちは、「国民連合政府」こそが、安倍政権に代わる現実的で合理的な政権構想だと確信しています。日本共産党の躍進で、「国民連合政府」への扉をこじ開けようではありませんか。立憲主義・民主主義・平和主義をつらぬく新しい政治、国民一人ひとりの「個人の尊厳」を守り、尊重する政治をつくるために、ごいっしょに力をあわせましょう。

 

 

© 2015 - 2017 梅村さえこ(日本共産党衆議院議員)