梅村さえこ(日本共産党前衆議院議員)-北関東ブロック(埼玉・栃木・群馬・茨城)比例代表選出
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「電気通信が寡占化」国民への影響検証を

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#1309824

 梅村さえこ議員は4月23日の衆院総務委員会で、電気通信事業法「改正」案への質疑で、「電気通信の自由化・競争の中で、利用者・国民の影響の検証を」と求めました。

 梅村議員は、競争の激化と寡占化が進むなかで事業者の撤退による契約変更や複雑さが激化する一方で料金が横並び・高止まりとなっている実態を告発し、「利用者・国民の立場からの認識」を政府にただしました。

 高市早苗総務相は「家計における通信費の支出額は増加傾向にある。サービスの高度化と多様化の中で料金プランも複雑で分かりにくい」と答えました。

 梅村議員は「寡占状態」となっている三大電気通信事業者がさまざまなコストカットで利益をあげているのではないかと追及しました。吉良裕臣・総務省総合通信基盤局長は、NTTグループが1兆円を超える営業利益をあげていると答えました。

 梅村議員は、埼玉のNTTから受注している下請け業者の単価切り下げの実態にふれ、「利用者・国民への還元」を求め、「健全な通信事業への貢献をすべきだ」と主張しました。

 

                       【「しんぶん赤旗」2015年4月29日付】

 

ー会議録ー

梅村委員 日本共産党の梅村さえこです。

 今回の法案は、世界最高水準のICT基盤をさらに普及発展させるために、電気通信事業の公正な競争を促進するとされています。とりわけ、その中で、電気通信事業法第三十条を改正して、NTTドコモに対する禁止行為規制の緩和を行うとされております。

 この緩和について、既に、携帯電話事業者やケーブルテレビ事業者など六十五事業者、団体から、公正競争の確保が困難になるなどとして、これまでの政策の検証を十分に行った上での必要な措置を求め、緩和に反対する要望が総務省に提出されたと聞いております。

 これまでの政策の検証との指摘もありますが、私たちは、電気通信自由化の政策を、利用者、国民の視点から、電気通信事業の役割のそもそもに立ち返っての検証が必要だと考えます。

 そもそも、電気通信事業法第一条は、その目的について、電気通信事業の公共性を述べた上で、電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り、公共の福祉を増進することをうたっております。電気通信事業は公共性を持った事業であります。

 日本共産党は、国民の切実な願いであるこのICTの健全な発展を心から願っております。それだけに、今回の改正案が、寡占化と行き過ぎた競争から利用者、国民の不利益を生み出すものになりかねないかとも考えるものです。この立場から質問したいと思います。

 まず最初に、電気通信事業の現況についてです。

 政府は、一九八五年以降、電気通信事業の自由化、競争を促進されてきました。

 現在の電気通信事業者は、登録事業者三百十四社、届け出事業者でいうと実に一万六千四百七十社と、ふえていると聞いております。一方で、主な事業者は、合併や買収が激しく繰り返されて、三大グループ、NTT、KDDI、ソフトバンクに収れんされてきた。

 総務省は、収れん化され寡占化している状況だとの認識を述べられているかと思うんですけれども、改めて、現況についてそういう認識でよろしいか、伺いたいと思います。

高市国務大臣 電気通信分野は、昭和六十年の電電公社の民営化、通信の自由化以降、事業者間の活発な競争を促すため、事前規制から事後規制へと移行してきました。

 その結果、今委員からもお話がありましたが、この三十年で、事業者数がNTTとKDDの二社だったのが一万六千社以上に増加し、市場規模は約四倍に拡大するということで、大きな成果を上げてきたと思っております。

 その間、新規参入は行われている一方で、活発に合従連衡が行われてきましたので、現在のモバイル市場を見ますと、主要なプレーヤーはNTTドコモ、KDDIグループ、ソフトバンクグループの三つに収れんしてきておりますので、寡占状態にあるという認識を持っております。

梅村委員 昨年、当時の新藤総務大臣は総務委員会で、今答弁いただいたように、三社によるやや寡占状態のようなものがあるというふうに発言をされながら、これをさらに競争施策を導入して、またさまざまな工夫をしなければならない、それによって国民に利用しやすい通信というものを達成しようではないかと、これが我々の目標ですというふうに答弁されています。

 しかし、今御答弁いただきました三十年の電気通信自由化以来を振り返ってみると、とりわけ利用者、国民の立場で見てみると、さらに競争施策を導入してでは解消できない問題があるのではないかと考えるものです。

 とりわけ、競争の激化と寡占化が進む中で、実際、この三十年、今答弁いただきましたように新規参入事業者もあったわけですけれども、同時に、撤退による契約先の変更や複雑さの激化、一方で料金の高どまりなど、利用者、国民にもたらされたマイナスの影響も少なくなくあるかと思います。そういう点についてどのように認識しておられるか、お伺いしたいと思います。

高市国務大臣 先ほど、寡占状態ということを申し上げました。だからこそ、今回御審議いただいております法律案におきまして、主要事業者が他の主要事業者等と合併、株式取得等をする場合に登録の更新を義務づける仕組みを導入することといたしております。

 それから、利用者にとってどういう状況かということなんですけれども、やはり競争政策を積極的に推進してきた結果、例えば、東京―大阪間で長距離通話の料金、これは、平日昼間三分間で、固定電話では昭和六十年に四百円でしたけれども現在は八十円、IP電話では現在八円ということで、通信料金は大幅に低廉化しました。

 一方、携帯電話やブロードバンドなど、新たに多様な通信サービスが登場して国民生活に不可欠なツールとなりましたから、どうしても、いろいろなものを利用しますから、家計における通信費の支出額というのは増加傾向にあると思います。

 また、サービスの高度化、多様化が進みました結果、料金プランが複雑であるとかわかりづらいといった声もあるということを認識しております。

 こういう状況を踏まえまして、総務省としましては、通信サービスの料金や提供条件が利用者にとってよりわかりやすく、利用しやすいものになるように引き続き取り組んでまいります。

梅村委員 今、さまざまな問題点を具体的に御答弁いただきました。

 消費生活センターなどに寄せられている苦情の相談は御承知のようにふえており、その内容は、契約時の説明不足、口頭契約、料金の安さ、無料の強調など、契約の複雑化と販売勧誘活動に関するものが特に圧倒的に多いかというふうに思います。

 こうした状況を踏まえて、内閣府消費者委員会が電気通信事業者の販売勧誘方法の改善に関する提言を出して、総務省に対して、改善の努力とともに、明確な減少傾向となるなどの一定の改善が見られない場合は必要な措置を求めているかというふうに思います。

 今具体的にもう御答弁いただいておりますし、こういう視点で利用者、国民への影響を精査していくことが必要となってきているというふうに思っております。

 先ほど御答弁いただいた中で、とりわけ家計における負担がふえてきているという御答弁もありました。その点をもう少し詳しく、この十年間に家計における電気通信費がどのように推移してきているのか、十年前と比べて、割合、そのうち移動電話通信料の内数もお伺いしたいと思います。

吉良政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省の家計調査によりますと、消費支出に占める通信費の割合については、平成十七年度には四・三%であったところ、平成二十六年には五・五%に増加しているところでございます。

 それから、移動通信の通信料でございますが、二〇一四年で三・九%、それから二〇〇五年では二・六%ということでございます。

 したがいまして、ふえております。

梅村委員 こうした家計における消費支出の割合がふえているのは、もちろん、利用者、国民が多様で高度なサービスを求めているというそのニーズの反映でもあると思います。ただ、この間の、十年ぐらいの家計における通信費の急速な増加というのは非常に大きいものがあるのではないかなというふうに思います。

 特に、なかなか収入がふえない中で、家計収入が横ばいとなっている中、今もお話がありましたけれども、例えば二〇〇二年と比べると、消費支出における通信費の割合は三・六から五・四にふえてきておりますし、一カ月当たりの家計で考えても五千円ぐらいふえてきている。ただ、収入はほとんどふえていないけれども、通信費は月に五千円ふえてきている。

 大体、家計における支出も、食料の項目と同時に、居住、教育に続いて通信費がもう支出項目の六位になってきているわけで、やはり国民、利用者の中から負担が重いという悲鳴も大きく上がっていることに耳を傾けなければいけない状況があると思います。

 こうした利用者、国民の現状が、今、非常に負担がふえてきたのが仕方がないことだったのかということですけれども、そうではないように思います。

 特に、先ほど御答弁いただいた三大電気通信事業者が、この間、さまざまなしわ寄せやコストカットも進めながら、大きな利益を既に上げてきているのではないかなというふうに思います。

 きょうは、この点で、とりわけ今回禁止規制を緩和するNTTグループの連結の営業利益がこの十年どのように推移してきたのか、このことを数字としてお伺いしたいと思います。

吉良政府参考人 お答え申し上げます。

 NTTグループの連結決算における営業利益は、平成十五年度は一兆五千六百三億円でありまして、平成二十五年度実績は一兆二千百三十七億円でございます。

梅村委員 数年間、一兆円規模の営業利益を上げ続けてきているのが現状だというふうに思います。

 先ほど御紹介した通信事業の公共性と企業の社会的な責任から、やはりこうした利益を、通信費が月五千円も上がってきているという現状も国民の立場でありますとあるわけですから、本来、こうした利益を国民、利用者に還元してくるべきではなかったか。そして、働いている皆さん、とりわけ下請業者に還元して、健全な通信事業に貢献すべきではないかというふうにも感じております。

 私、埼玉に住んでおりますけれども、埼玉でNTTから受注している業者さんにお話を伺いました。例えば電柱の敷設工事は、約二十年前は一日当たりの労賃が約三万円ぐらいだったのが、今は半分の一万五千円以下でやっている、やめる業者が多いというふうなお声も聞きました。また、光ケーブルの敷設は、材料は持ち込みで赤字になるときもあると。四次下請をされているそうですけれども、もうそこまで来ると、ほとんどもうけはないという悲鳴を下請業者の方々が上げているところです。

 先日のこの委員会で、この改正は地域経済の活性化のためでもあるという討論がありました。しかし、私は、もし地域経済の活性化を言うのであれば、これだけ巨大な利益を上げながら、三次、四次、五次の下請の業者の皆さんたちが二十年前と比べて労賃が半分になってきているというような状況こそ打開して、地域からやはり内需を拡大していく、地域の活性化をしていく、それも重要な地域の活性化の一つではないかなというふうに思っているところです。

 そういうような立場に立ちますと、この法案は、さらにドコモの禁止規制を緩和していくと、異業種と連携した多様なサービスを可能にして、利用者をより囲い込んでいく、シェアをふやしていくことになるのではないかと思います。このことが利用者、国民にどのような影響をもたらすのかしっかりと検証をしていくべきだということを、ここで指摘しておきたいというふうに思います。

 次の質問に移っていきます。次は、ブロードバンドの利活用をめぐってです。

 今回、光サービス卸の議論になっておりますけれども、これにとどまらず、整備されたブロードバンドの利用可能性を利用者、国民がどう享受していくのかという視点が欠かせないと考えます。この点から伺っていきたいというふうに思います。

 これまで、大変な御努力の中でブロードバンドの整備が推進されてきたと思います。とりわけ条件不利地域、民間の不採算地域では、国や自治体が協力しながら、固定系超高速ブロードバンドでも約九九%に現在達するところまで来ていると聞いております。

 このように、利用者、国民の利用可能性も広がり、引き続き、あまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保がされていくとともに、国民のニーズに応じた利活用が進んでいくことが欠かせないというふうに思います。

 その点で、さらにこの利活用を進めていくためにどのような課題があるのか。最近、移動系通信のみの利用者に、固定を利用しない理由について調査されたと聞いておりますので、その内容も含めて、やはり課題、国民のニーズ、そのようなものについてお伺いしたいと思います。

吉良政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員から御指摘のございましたように、整備率は大分進めてきたんですけれども、今その利用率が、平成二十六年十二月末現在、四八%にとどまっているというようなことで、私どもとしては、光回線が最大限利活用されることが重要である、こういうふうに考えておりまして、医療とか農業とか教育だとか、さまざまな分野へのICTの利活用の取り組みを行っておりますし、今回の改正におきましても、光回線の卸というのは、教育、それから健康、セキュリティーなどの多様な業種の企業による光ファイバーの利活用につながるというふうに期待をしているところでございます。

梅村委員 競争評価二〇一四利用者アンケートというものによりますと、移動を使っていて固定を利用しない理由について、移動体通信サービスが十分であるというのが五六%、月額費用が高いからが一八%、そして加入手続が面倒だというのが九・七、初期費用が高いからが四・四%というような調査結果も出ているかというふうに思います。

 やはり、引き続きこの点では、月額費用が高い利用の問題や、よく情報が来ていない、手続がわからない、こういうお声も上がっているわけですから、十分こういう声に応えた施策、取り組みを広げていくことが重要なのではないか、国民のニーズからこの点も出発すべきではないかというふうに考えるところです。

 また、整備したブロードバンド施設の、少子高齢化など地域の課題や医療機関、教育、図書館など社会的課題への利活用、これも既に今御答弁いただきましたが、注目されているところです。特に、自治体がこれを位置づけて、積極的にブロードバンドを活用しながら取り組むところも生まれてきております。

 通信事業がこうした社会的課題にかかわって果たすべき役割が国際的にも求められてきていると思いますが、この点での今後のお考えや提案についてもお伺いしたいと思います。

高市国務大臣 主要な電気通信事業者は、これまでも、子供さんたちを対象としたスマートフォンやインターネットの使い方を教える教室を無料で開催してくださったり、医療、介護関係者が完全非公開の環境で連携、情報共有できるSNSを無料提供してくださったり、緊急地震速報などを利用者に瞬時に知らせる緊急速報メールを運用したりと、社会貢献活動の観点からの取り組みを行っていただいております。

 やはり、電気通信事業というのは、国民生活及び経済活動に不可欠な電気通信役務を提供する事業として高い公共性を有しておりますので、電気通信事業者におかれましては、そのような公益性を十分に自覚していただき、引き続き公共的な役割を積極的に果たしていただきたいと考えております。

梅村委員 私たちも、そういう御努力が広がることを心から希望したいというふうに思います。

 次に移りたいと思いますけれども、この法案で公正な競争環境を制度整備していく卸電気通信役務として想定されている、光回線の卸売サービスに関してお伺いしたいというふうに思います。

 既に御質問が続いていますけれども、この卸売サービスについて、新規事業の参入を促し、サービスの多様化、低廉化を進めることになるとの指摘がある一方で、NTTの営業経費のカットのためという指摘もあります。利用者、国民にとって、その点でどのような影響があるのか。

 卸売の中で安い料金設定もできると想定されていますけれども、しかし、それは提供事業者へのサービス卸の価格が影響するとも考えます。どのような価格決定の仕組みになっているのか、この点、御答弁をお願いしたいと思います。

吉良政府参考人 お答え申し上げます。

 これは、NTT東西が、例えばNTTドコモ、それから他の異業種、それから同じ携帯事業者のソフトバンクに卸すという形をとります。そこで卸されまして、そこから先が、具体的な利用者の方にサービスがいく。言ってみればNTTは黒子になるスタイルになるわけですが、そのときは、卸された料金がありまして、それに、利用者には営業費とかそういうものを上乗せした形で料金を設定する、こういうことになります。

梅村委員 今お話しいただいたように、価格決定が相対契約に任されてきているということだと思いますけれども、通信事業として求められる確実な提供がなされていくのかが、今もありましたけれども、非常に懸念が残るところだというふうに思います。また、利用者にとっても、選ぶ事業者によって格差が生まれてくる懸念もありますし、また、不利益が生まれかねないとも考えます。

 こうした設備の維持管理費にかかわる卸の価格を競争の中で決めていくことになれば、適切な維持管理費以上のコストカットにつながりかねず、設備の維持管理、発展に影響しないか、懸念もあるということをここで重ねて指摘させていただきたいというふうに思います。

 最後になりますけれども、消費者保護について何点か伺っていきたいと思います。

 内閣府消費者委員会でも、過熱する販売勧誘活動などの改善を挙げております。電気通信事業者がふえるとともに、代理店がそれ以上に多く存在するのが今の現況ではないかというふうに思います。

 事業者の代理店任せが進んでいるのではないか、その点の認識を伺いたいと思います。

吉良政府参考人 お答え申し上げます。

 電気通信サービスの契約締結事務は、電気通信事業者から委託を受けて、主に代理店が行っております。

 近年、熾烈な顧客獲得競争が行われる中で、電気通信事業者から業務の委託を受けた代理店が、さらに代理店業務を他社に再委託するというようなことで、代理店の構造が多層化あるいは複雑化してきております。

 電気通信事業者は、この構造を把握し切れていない状況にあるというのが認識でございます。

梅村委員 代理店のまた先の、その先のという方々と利用者、国民は一番接しながらこれに参加してきているというふうに思いますので、そこの改善が求められると思います。

 ただ、その先の代理店の立場に立ってみますと、行き過ぎた競争の中で販売競争せざるを得ない、そういう状況もあるかと思いますので、やはり、どういう問題が起こっているのか、その背景も踏まえて、これは丁寧な対応が非常に求められている分野ではないかな、実態把握が非常に求められているのではないかなということを要望しておきたいというふうに思います。

 また、それにかかわってなんですけれども、光卸が二月に始まって間もなく、既に二社が行政指導を受けるという事態となっております。被害が広がってから是正するのではなく、やはり、どう担保していくのか、それがこの問題でも非常に重要かと思うんですけれども、この点で提案を伺いたいと思います。

吉良政府参考人 お答え申し上げます。

 NTT東西によります光回線の卸サービスにつきましては、その提供を受けた多くの卸先の事業者から既存のNTT東西の光サービスの利用者等に対しまして電話勧誘など活発な営業活動が行われて、苦情それから相談件数が増加するのではないかと懸念されておりました。

 このため、総務省では、本年二月一日のサービスの開始前に、光回線サービスの卸売に関するガイドラインによりまして、電気通信事業法において、消費者保護の観点から問題となり得る行為等を明確化いたしました。また、業界団体に対しまして、電気通信事業法上の説明義務等の遵守だとか契約時の利用者の意思確認の徹底等を文書で要請しました。さらに、光サービスの乗りかえに当たっての注意点をまとめたチラシを作成しまして、全国の消費生活センター等へ配付するというようなさまざまな対策を講じてきたところでございます。

 あと、業界団体におきましても、消費者保護に係る業界自主基準について、光回線の卸売サービスを踏まえた改定を行ったところでございます。

 こういう取り組みにもかかわらず、二社に関しまして、NTT東西の光回線の卸サービスを受けて提供するサービスにおいて不適切な販売勧誘が認められたことから、文書による行政指導を本年二月二十七日に行ったところでございます。このときに、具体的には、利用者の意思確認の徹底だとか説明義務の遵守徹底、それから再発防止措置の報告等を求めたところでございます。

梅村委員 そういう事前の対策をしながら、二社が間もなく指導を受けるという事態になったわけです。

 今、不適切なという表現のされ方でしたけれども、二社に共通して問題となった内容というのはどういう問題でしょうか。

吉良政府参考人 お答え申し上げます。

 電話勧誘におきまして、NTT東日本が提供する光回線サービスから自社サービスへの乗りかえに関しまして、利用者の申し込み意思が不十分なままその手続が進められたということでございまして、例えば、NTTの名前を出して、単なるプラン変更であるかのような話法を用いて、結果、利用者が事業者変更、事業者がかわるということを理解していなかったケースだとか、あるいは、NTT東日本が利用者本人にのみ発行する乗りかえの手続用の番号を、問題となる事業者が本人にかわって取得したというようなケースもございました。

梅村委員 今御説明いただいたように、とりわけ二社で共通しているのは、転用手続を代行してやってしまったり、そういうようなことがあったかというふうに思います。

 それは、そもそも、やはり卸に伴ういろいろな手続も含めて、利用者に今まで以上にわかりにくい切りかえ、転用、そういうものが光卸の過程で今急速に現場にはあるということだと思います。ですから、その複雑化、そこから問題が起こっていることをよく踏まえて、問題が広がらないような対策が緊急に必要かなというふうに思っているところです。

 さらに、先ほど御答弁の中にもありました、光ファイバーに関する苦情相談ですけれども、電話勧誘や訪問販売によるものが多い。ですから、店頭販売と違う、そういう問題もあるかと思うんですけれども、この分野だけでも特定商取引扱いとしなかった、その点について御答弁いただきたいと思います。

吉良政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の初期契約解除制度は、一つには、電波を用いて移動して利用されるというようなことから、サービスの利用できるエリア等を利用前に確実に知ることが困難ということがあります。それから、キャッシュバックだとか料金無料期間の設定等によりまして、料金等が複雑で契約締結時に理解することが困難というような電気通信サービスの特性に起因しまして、契約時における提供条件の説明義務だけでは対応が困難となっている状況を踏まえまして、導入するものであります。

 このような電気通信サービスの特性は、特定商取引法が対象とします訪問販売とか電話勧誘販売といったいわゆる不意打ち性のある販売形態と、みずからの意思で来店した者に対する店頭販売の形態による場合とは、異なるものではないというようなことであります。

 また、販売形態によりまして契約解除の根拠となります法律が異なると利用者に混乱を生じるというようなおそれもあることから、訪問販売や電話勧誘販売のみを特定商取引法で措置するということはしなかったものでございます。

梅村委員 また、その点にかかわって最後の質問ですけれども、今回法改正を行う書面の交付は、省令で定めるようになっております。

 利用者の保護のために支障を生ずることがないと認められるのはどの範囲なのか。限定されることがあってはならないというふうに思います。この点はいかがでしょうか。

吉良政府参考人 お答え申し上げます。

 契約の締結書面は、利用者が契約後にみずからの契約内容を確認して、安心して継続的にサービスを利用できるために重要なものでございます。その交付対象となりますサービスは、内容や利用者の範囲等を勘案しまして、利用者利益の保護を図る観点から総務大臣が指定することとしております。

 具体的な対象サービスとしましては、光回線サービス、インターネット接続サービス、携帯電話サービス、ケーブルテレビインターネットサービスなどの主要なサービスが想定されておりますが、今後、指定に当たりましては、審議会への諮問とかパブリックコメントを実施するなどしまして、透明なプロセスを通じて十分検討してまいりたいというふうに思っております。

梅村委員 これから省令で定め、今後の取り組みになっていくと思うんですけれども、非常に消費者、国民との関係では大事な点かというふうに思います。サービスが多様化、複雑化するもとで、利用者の立場に立つのであれば、とにかくわかりやすく、また、対象を絞るのではなく、やはり全てに求めていくべきではないかとも考えるものです。

 利用者、国民の立場に立って、自由化、競争でもたらされた影響について真摯に検証し、電気通信事業が求められている公共性が果たせるよう、この事業全体の改善を求めて、質問を終わりたいと思います。

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