梅村さえこ-日本共産党党中央委委員・子どもの権利委員会副責任者
くらし・税・TPP

マイナンバー 本人の意思と無関係 役所が職場に郵送

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 厳重な管理が法律で義務づけられているはずのマイナンバー(個人番号)が来年5月、本人の頭越しに役所から勤務先に通知されることが、税理士事務所が行った自治体への調査で明らかになりました。しかも、マイナンバー付きの書類を普通郵便で送る予定の自治体もあり、漏えいや紛失の危険が大です。

全国の市区町村は、毎年5月になると、事業所で働く人が納める住民税の額などを記した「通知書」を事業所に送っています。

 マイナンバー制度を所管する総務省は今年1月からの運用開始にあたって、この「通知書」の書式を変更。

 新しい通知書には、従業員の名前、住所に加え、新たに12ケタのマイナンバーを記入する欄が設けられています。

拒否しても職場に通知

 税理士法人東京南部会計(東京都大田区)が都内23の特別区を対象に実施したアンケートでは、半数の区が通知書にマイナンバーを「記載する」(予定も含む)と回答。「記載しない」と回答した区はなく、「検討中」と答えた3区以外は総務省の方針に従う考えを示しました。

 マイナンバー制度では、従業員は、事業所からマイナンバーの提出を求められても拒否することもできます。

 しかし、「通知書」によって提出を拒否した従業員のマイナンバーが事業所に伝わることになり問題です。

 東京南部会計の佐伯正隆税理士は「事業主に番号の提供を拒否したのに、自治体が事業主にマイナンバーを伝えるのは、個人番号の利用範囲を超えているのではないか。番号を事業主に知らせること自体に、意味があるのか」と指摘します。

普通郵便で配達の区も

「記載する」とした区の中には、事業所に通知書を普通郵便での郵送を予定する区もありました。

郵便受けに入れるだけの無防備なやり方では、マイナンバー、名前、住所、勤務先がセットで漏えいするという危険がさらに増大します。

 誤配達や盗難のリスク以外にも、マイナンバーの管理者ではない職員が知らずに開封し、他人のマイナンバーを知ってしまうなどの取り扱い事故も懸念されます。

 マイナンバーの通知カードを昨年10月以降、各世帯に配達した際は簡易書留が使われました。

 簡易書留の配達では、受取人への手渡しが原則で、不在の場合は持ち帰ります。それでも、通知カードの配達では全国で誤配が起きています。

 日本共産党の梅村さえこ衆院議員と全商連の聞き取りに、マイナンバー制度の普及を狙う総務省は、方針を変えないことを明らかにしました。配達方法についても「こちらから、こういうふうに郵送してほしいと示すことはない」とのべ、自治体任せの対応となっています。

【「しんぶん赤旗」2016年11月4日付】

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