梅村さえこ-日本共産党党中央委委員・子どもの権利委員会副責任者
国会質問

質問日:2017年 4月 10日 第193国会 決算行政監視委員会

ホーム転落防止策を 梅村氏 検討会に視覚障害者も

  

  梅村さえこ議員は10日、衆院決算行政監視委員会分科会で、JR京浜東北線蕨駅(埼玉県蕨市)での視覚障害者の転落死亡事故を取り上げ再発防止策を求めました。

 梅村氏は、さまざまな対策を取りながらも、ホーム転落事故は増え、とりわけ視覚障害者の転落は2009年~15年度で2.4倍となり、16年度の死亡者数は3人になったと指摘しました。

 梅村氏は、視覚障害者を主体とする事故防止策が必要だと主張。国土交通省の「駅のホームにおける安全性向上のための検討会」に視覚障害者が入っていないことを示し、「鉄道会社の事情が優先され、安全性が後回しにされる危険がある」とただしました。石井啓一国土交通相は「今後フォローアップの検討会に、障害者団体には委員として参加してもらう」と答弁しました。

 梅村氏は、駅員の配置・増員要求に逆行する駅無人化を批判。「障害者に、安心とともに歩行や移動の自由が保障されるべきだ」と主張し、バリアフリーを国の責任で促進するよう要求しました。

【「しんぶん赤旗」2017年4月24日付】

ー会議録ー

○梅村分科員 日本共産党の梅村さえこです。
 本日は、JR蕨駅での視覚障害者の転落事故と再発防止、障害者の駅利用について伺いたいと思います。
 まず確認させていただきます。ことし一月十四日朝七時十分に発生したJR蕨駅の事故、昨年八月に東京地下鉄銀座線での視覚障害者の転落事故を受けて、国交省として駅ホームにおける安全性向上のための検討会を設置し、十二月に中間取りまとめが出され、JR東日本が声かけ、サポート強化キャンペーン中に起きた事故でありました。
 改めて、お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りしますとともに、二度と同じ悲劇を繰り返さない決意をしたいと思います。
 それで、視覚障害者の方からは、なぜ強化キャンペーン中にもかかわらず事故が起きたのか、一体何人の命が犠牲になれば済むのかの声が出ておりますが、当然のことだと思います。
 そこで確認させていただきます。事故当時の駅員の配置は改札に一人だったと聞きます。声かけがなかったと聞きます。そして、その後、再発防止のためのホームドアの設置の計画、ソフト面、マンパワーの強化などはどうなっているのか、確認させていただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 ことし一月十四日、JR東日本京浜東北線蕨駅におきまして、視覚障害者の方が転落して亡くなる事故が発生をいたしました。この事故を受けまして、JR東日本は、蕨駅につきまして、目の不自由な旅客への声かけや誘導案内を目的としたガードマンを事故後直ちに終日配置をする、また、目の不自由なお客様に対する駅構内放送の実施でありますとか、ホーム端部の危険性の注意喚起を行うCPライン、これは、先生御案内かと思いますが、カラーサイコロジー、色彩心理の略でありまして、人が危険と感じる度合いが高い色彩を用いてラインを引くことにより、視覚的、心理的にホーム端部の危険性に対して注意喚起を行うものでございますが、これを二月に整備した。
 また、二〇二〇年度末までとしていたホームドアの整備時期を二〇一九年度末へ前倒しをするなどの対策を講じたところでございます。
 JR東日本においては、事故の再発防止に向けて、対策にしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○梅村分科員 JR蕨駅は私が住んでいる町でありまして、毎日駅を使って通ってきております。
 残念なことなんですけれども、事故後はそういう努力があるということは十分認識しておりますし、また、ホームドアの設置の前倒しは、蕨市長初め、党派を超えた多くの議員の皆様、市民の皆さんの強い要望で実現したものだと思います。一年前倒しの計画の努力に感謝いたしますとともに、引き続き一日でも早く設置ができるよう努力をお願いしたいと思います。
 同時に、声かけ、サポートキャンペーン中にもかかわらず、この事故が起こったということで、やはり中間とりまとめの内容が現場まで周知されていなかった、当日は、改札にお一人いましたが、声かけがされなかったという問題があろうかというふうに思います。
 蕨駅だけがよくなればいいということではございません。この中間取りまとめが現場まで行き届いていないという、前回、総務委員会で質問させていただきましたけれども、当時はそうでしたが、その後、この現場への徹底というものは、周知徹底などは強化されているんでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 国土交通省といたしましては、一月十四日の京浜東北線蕨駅における転落死亡事故を踏まえまして、検討会の中間取りまとめについて、特にソフト面での駅員の対応について早急に現場への周知徹底を図るよう、各鉄軌道事業者に要請し、その結果の報告を求めております。
 さらに、一月十八日、二十三日には、全国の鉄道事業者を対象に、中間取りまとめに関する説明会を開催いたしましたが、現場への周知徹底について、直接各社の担当者にも要請をしたところでございます。
 周知徹底の結果につきましては、これまでのところ、ホームドア未設置のホームがある事業者百六十一社の全てより報告を受けており、各事業者とも、現場に対し、駅員等の対応に係る具体的措置について周知済みであることを確認いたしております。
 ちなみに、駅員等の対応に係る具体的措置につきましては、誘導案内希望の申し出があった視覚障害のある方に対して乗車及び降車の誘導案内を実施すること、また、誘導案内を実施することが視覚障害のある方にも認知されるよう情報発信に努めること、誘導案内の希望の申し出がない場合であっても、駅構内で介助者がいない視覚障害のある方に気づいた際は声かけを行うこと、視覚障害のある方に転落の危機が迫っていると認めるときに、視覚障害のある方が明確に気づく声かけや注意喚起を行うことといったようなことでございます。
 また、各鉄道事業者が現場に対して発出いたしました周知文書でありますとかマニュアルにつきましても確認を行いまして、中間取りまとめの内容と異なるケースにつきましては、その修正を求めているところでございます。
 駅ホームの安全性向上を図っていく上で、現場への周知徹底は重要であり、今後とも現場に対し適切に周知徹底を図っていくことを各社に求めてまいります。
    〔田畑(裕)主査代理退席、主査着席〕
○梅村分科員 本当にとうとい命が失われたということで、十八日に周知徹底を再度されたということでしたけれども、既に中間取りまとめは出ており、JR東日本が声かけ、サポートキャンペーン中であったということで、もしこれがもっと早く機敏に行われていれば、四日前に起こった一月十四日のこの転落事故、朝七時十分ですけれども、起こらなかったかもしれない。せっかく検討会をやって、そういうまとめを出し、やろうということでしたから、どうぞ、やはり機敏にもっと対応が必要だったということをぜひ重く受けとめていただきたいというふうに思います。
 それで、石井大臣にお伺いしたいというふうに思います。
 非常に視覚障害者の事故が、特に二〇一六年度は三件起こりました。青山一丁目の事故、そしてその間には近畿鉄道の河内国分駅で起こり、そして蕨駅で、三件立て続けに起こっております。
 ちょっと振り返ってみますと、二〇一〇年以降、二〇一〇年にはお一人、二〇一一年にお二人、二〇一四年にお二人、ですから、二〇一〇年以降だけでも八人の視覚障害者の方が駅から転落し、そのとうとい命を失われているということだと思います。
 特に、二〇一〇年には一度検討会を行いまして、そのときに、十万人以上の駅についてはなるべく早くホームドアを設置していくというような検討会の結果が出ていると思いますが、そういう検討会や対策を打ってきても、この間、視覚障害者の皆さんの転落事故、視覚障害者の皆さんだけではなくて健常者の皆さんの転落事故もむしろふえているんです。今、年間約三千件から四千件近く健常者の方も含めてホームから転落され、うち視覚障害者の転落というのは五百二十件です。そして、二〇〇九年と二〇一五年の七年間を比べると、三十九人から九十四人へと二・四倍も視覚障害者の方々が転落していらっしゃる。
 手を打ってきていると思うんです、検討会も開いてきていると思うんです。にもかかわらず、やはりこれだけの転落がいまだ起こり、そして二〇一六年度は三人も、そして検討会中にもまた起こった。こうした事態を見ておりますと、今までどおりの対策ではなくて、やはり抜本的な強化、こういうことがいよいよまた必要だというふうにも思います。
 この間お亡くなりになられている方も大勢いらっしゃいます。その方々に対する御認識、またこの間の対策がどうだったのかという御認識を大臣から伺えたらというふうに思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、目白での事故とかああいう事故のたびにそういった検討会を開きまして、事業者が集まって議論をしてまいりました。
 一番初期の段階では、そもそもホームドアをつくるということ自体も、設置費用の関係とかいうことでなかなか議論がございましたけれども、そうやって会を重ねるにつきまして、今回の中間取りまとめでは、例えば、条件の整ったところであれば、十万人以上の駅については三十二年までに整備をしようとか、十万人未満でも必要性を見きわめながら整備を進めていこうとか、また、それができない間もソフト対策を充実させようといったような、やはりそういった取り組みが強化されてきていると思います。
 残念ながら、おっしゃったような事故は発生をしておりますけれども、そういった取り組みを強化しておりますので、そういった事故ができるだけ起こらないように、我々も事業者とともに努力していきたいというのが今の認識でございます。
○梅村分科員 人の命がかかっていることですから、一人でもそういう犠牲者を生まないという立場でやはり取り組むことが必要だというふうに思います。
 それで、これは大臣に伺えるかなと思うんですが、中間取りまとめの委員、この中に当事者である視覚障害者の方が入っておられません。なぜ入っておられないのか。委員はほとんど国土交通省と鉄道会社の方ばかりだというふうに思います。当事者を入れるべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○石井国務大臣 駅のホームの安全性を検討するに当たりまして、視覚障害者の皆さんの視点を取り入れ、施策に反映することは重要であると考えております。
 このため、昨年末の検討会の中間取りまとめに先立ちまして、第二回、第三回の検討会におきまして、視覚障害者団体等合計八団体から御意見を伺っております。
 委員としては参画いただいておりませんでしたが、このような形で意見を把握するとともに、中間取りまとめの作成に当たっても事前に説明するなど、十分にその意見を反映したものになったと考えております。
 なお、本年二月二十日に開催されましたユニバーサルデザイン二〇二〇関係閣僚会議で決定をされましたユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画におきまして、障害のある人が委員として参画することとし、障害のある人による視点を施策に反映することが重要である、こういうふうに位置づけをされましたので、今後、この趣旨にのっとりまして、次回以降の検討会、これはフォローアップのための検討会ですが、ここには障害者団体の方に委員として参加していただく予定としてございます。
○梅村分科員 当事者の皆さんから大変強い要望があり、私もその二回、三回目の会議の資料を見させていただきましたけれども、大変具体的な資料が団体の皆様から出ておりますので、ぜひ直接入っていただいて、主体者として一緒に計画をしていっていただいたらというふうに思います。
 さて、次に、中間取りまとめの具体的な内容について伺いたいと思います。
 ホームドアの設置について、乗降客十万人以上の駅を優先してつけるとともに、十万人未満でも、転落事故の発生や視覚障害のある人の利用状況、整備状況などを勘案するとあります。
 例えば、私の地元埼玉県でも、二〇一一年に東武鉄道の川越駅で視覚障害者の転落事故が起きております。ここには、実は近くに盲学校があります。盲学校の学生さんも転落するというような、大変危ないところなわけですね。
 この東武の方の川越駅は、もうつけるという計画が進んでおりますが、JR川越駅のホームドアの計画、この中間取りまとめでは、視覚障害のある人の利用状況や整備状況を踏まえて検討もするとありますので、当然、そういう必要な駅については、私は国交省はつかんでいらっしゃると思うんですけれども、JR川越駅のホームドアの計画はどうでしょうか。
○奥田政府参考人 申しわけありません。ちょっと、そういう具体の御通告をいただいていなかったかと思います。ちょっと今、手元に資料がございませんので、また調べて御報告します。
○梅村分科員 このJR川越駅の問題、東武の川越駅の問題、中間取りまとめで視覚障害者などの状況を踏まえて、事前に聞いたときには、率直に言って鉄道事業者の判断に任せるんだという御説明があったんですよ。ただ、この中間取りまとめを見ますと、十万人以下のところでも、つかんで取り組んでいくというふうにあります。
 では確認いたしますけれども、この取り組みというのは、事業者に任せる問題ですか。この十万人以下の、視覚障害者など、そういういわゆる社会的な弱者の皆さん方がいる駅については、国交省としても、一緒につかみながら一緒に推進するというお立場に立たれているかどうか、それだけ確認させてください。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 ホームドアの整備につきましては、平成二十七年度末時点において、ホームドアが設置されております全国六百六十五駅のうち、一日当たりの利用者数が十万人以上の駅は八十二駅、十万人未満の駅は五百八十三駅となってございます。
 昨年八月に発生をいたしました東京メトロ銀座線青山一丁目駅における視覚障害者の方の転落死亡事故を受けまして、駅ホームにおける安全性向上のための検討会を設置し、昨年末に取りまとめをした、これは先生御案内のとおりでございます。
 この取りまとめにおきまして、ホームドアにつきましては、一日当たりの利用者数が十万人以上の駅のうち、車両の扉位置が一定などによりホームドアの整備条件を満たしている場合、原則として平成三十二年度までに整備を行うこととしたところですが、これは、ホームドア整備を効率的に進めていくために、整備の優先順位を検討する必要があり、一駅当たりの転落、接触事故の発生件数は利用者十万人以上の駅が最も多く、また、事故件数の半分近くが利用者十万人以上の駅で発生していることを踏まえまして、利用者十万人以上の駅について優先的に整備を進めるとしたところでございます。
 一方、利用者数十万人未満の駅につきましては、ホームの混雑状況でありますとか、転落事故の発生状況、視覚障害者の方の利用状況や整備要望などを勘案した上で、優先的な整備の必要性を検討し、必要と認められる場合には整備を行うこととしたところでございます。
 御指摘の利用者数十万人未満の駅の状況を国としても把握すべきという点に関しましては、利用者数十万人未満の駅につきましては、ホームドアが設置されていない駅は八千六百四十四駅ございます中で、まずは、個々の駅の状況を熟知している鉄道事業者において、ホームの混雑状況、転落事故の発生状況、視覚障害者の方の利用状況でありますとか整備要望といったようなものを踏まえまして、ホームドア整備の必要性を検討する必要があると考えております。
 国土交通省といたしましては、そのような各鉄道事業者における検討を踏まえまして、必要な対応を行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○梅村分科員 それを受けた必要な対応がどうなのかということを聞いているんです。特に、川越は二〇一一年に事故が起きているんですよ。県議会でも問題となって、埼玉県の方から、川越駅についてはJRの方も早くつけるべきだということで、行政、県自身は乗り出して、JRに対して要請しているんですよ。
 私は事前に、レクチャーの段階でも、いろいろな段階も含めて、この川越駅ということは言ってきているわけですから、そういう一般的な御答弁ではなくて、やはり、近くに盲学校があり、東武の方では転落していて、JRにもつけてほしいという駅ですから、そんな通り一遍ではなくて、やはりここの駅は十万人以下かもしれないけれども早くつける必要があるというところをもうちょっとピンポイントで握って、一緒になって解決をしていく、そういう姿勢がやはり私は必要だと。そうしないとまた再び事故が起きてしまう可能性がある、そういうような声が現場から上がっているということを強く指摘させていただきたいというふうに思います。
 それで、やはり、改めまして鉄道は公共交通機関だというふうに思います。さらに、では、検討会の内容を、今、ヒアリングで視覚障害者の皆さん方から出た意見を踏まえてつくっているとおっしゃいました。私も読ませていただきました。視覚障害者団体の皆さんからは、ホームドアやホーム下の退避空間の設置、点字ブロック、明かり、壁や床、柱などの色調のコントラストなどハード面の要望とともに、特にソフト面ですね、人員の問題。日本盲人会連合からは、全ての駅に安全監視員を配置してほしい、全日本盲導犬使用者の会からは、全ての駅ホームに安全員など駅係員の増員を、ふやすとともに、その所在時間帯を長くしてほしい、全日本視覚障害者協議会からは、全ての駅における徹底調査に基づく駅員の配置、このことが繰り返し、いわゆるハード面とともに、発言、要望されております。
 こうしたいわゆる人員の増員、配置、この問題については、中間取りまとめにはどのように反映されているのでしょうか。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 駅ホームの安全性向上のための検討会におきましては、ヒアリングを行いました視覚障害をお持ちの方から、駅員の配置に関して、今御提示ありましたような意見、例えば、我々がホーム上を歩行するのは非常に危険であり駅員を配置することが重要である、転落の要因調査をお願いしたい、それに基づいて駅員を配置してもらいたい、マイクで注意するだけでは転落は防げない、視覚障害者が転落しないようにする駅員の配置が必要であるといったような御意見を頂戴したところでございます。
 検討会におきましては、こういった、いただきました御意見を踏まえまして、検討、調整を行いました結果、駅員配置に関する次のような記述を入れたところでございます。すなわち、駅ホームにおけるさらなる安全性向上に向けた施策、ソフト面での対策というところで、駅員等による誘導案内の強化と接遇能力の強化という項で、駅員等の配置については、各駅の利用実態等に鑑み、鉄道事業者みずからが判断するものではあるが、さまざまな意見や個々の利用実態等を踏まえ、必要に応じて見直すといった対応が重要であるといったようなことを記述させていただいております。
 このような状況に適切に対応した柔軟な駅員配置を行うよう、鉄道事業者を促してまいりたいというふうに考えております。
○梅村分科員 今、柔軟な対応とおっしゃいましたけれども、視覚障害者団体の皆さんは駅員の増員を求めているんです。ホームドアがつくまでは危ない、だからそれまでは増員をして、安全監視員などを置いて、しっかりとフォローしてほしいということを望んでいるわけですね。それは間違いないと思います。
 それで、中間取りまとめではそうなっておりますけれども、しかし、その要望に沿うどころか、今、各地でやはり無人化が進んでいる。これに対して、視覚障害者の皆さんから、悲鳴というか批判が広がっているのだと思います。
 私の地元の埼玉でも、宇都宮線、高崎線、川越線など二十八駅で、この間、始発から六時半まで無人化、遠隔操作となり、前日までに連絡して介助を受けるようになっております。
 それで、先ほど言われましたユニバーサルの問題、改正された高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法では、バリアフリー化を進めることにより、どこでも、誰でも、自由に、使いやすくを進めること、そして、身体障害者のみならず、知的障害者、精神障害者、発達障害者を含む全ての障害者が法対象というふうに述べていると思います。
 そして、このもととなる障害者差別禁止法でも、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有することとしてその尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを踏まえとしております。
 こういう趣旨でいきますと、どこでも、誰でも、自由に、使いやすく、障害者の皆さんが健常者の皆さんと同じように基本的人権を享有する。ですから、歩行の自由、尊厳が重んじられる、そういうことでいいますと、やはり、無人化にして、駅を使いたいというときに前の日までに連絡してください、もしかしたら、夜中に御親戚の方が急病になることもある、次の朝、急に使いたい場合もある、これは生活の中ではよくあることだというふうに思うんですね。
 ですけれども、鉄道事業者のコストの問題を優先にして、障害者の皆さん、とりわけ車椅子の皆さん、早朝使いたくても使えない。これはやはり、バリアフリー法で言う、こういう、どこでも、誰でも、自由に、使いやすくという趣旨や、障害者の差別禁止法、健常者と障害者を差別してはならない、こういう法からいえば趣旨に反するものではないでしょうか。
○石井国務大臣 御指摘のあった駅につきまして、JR東日本に確認をいたしましたところ、駅員不在の時間帯で、これは始発から朝六時半までの時間帯ということのようでありますが、前日までの御連絡がない場合であっても、各駅に設置されたインターホンを通じて連絡をいただければ、最寄りの駅からできるだけ速やかに職員を派遣し案内を行っているとのことでございます。
 国土交通省といたしましては、こういった取り組みを含めまして、日ごろから鉄道事業者において、各種障害をお持ちの利用者の方々とのコミュニケーションを図り、また、こうした方々の利用実態も踏まえながらサービスの見直しを行うことで、安全性の確保やサービス水準を可能な限り確保することが重要であると考えているところでございます。
○梅村分科員 そもそも、インターホンが、車椅子からいうと手が届かないとか、隣とか少し遠くの駅から来るわけですから、急いで電車に乗りたい、朝ですから時間がありません、そういうときに、ピンポンと押して来てもらうのにしばらく待つ。このこと自身も、やはり、障害を持っていらっしゃる方が自由に町を移動する権利、こういうのが阻害されている。やはり駅にはしっかりと人を置いて、障害のある方もこういう権利が保障されるような、そういう駅のバリアフリー化を進めていただくことが必要だというふうに私は思います。そのことを要望しておきたいと思います。
 最後になりますけれども、吾妻線の無人化についても伺いたいというふうに思います。
 四月一日から、吾妻線十八駅のうち十四駅で、新たに群馬原町と万座・鹿沢口の二駅が無人化となりました。この無人化がいわゆる村に提起をされたのが二月十三日、そして、三月二十八日に再びJR高崎支社の方がいらっしゃったということです。
 渋川の方まで学生さんたちが行くわけですけれども、そもそも始発が非常に遅いので、それに乗っても渋川の方の高校に着くのは八時五分になっちゃう。ですから、その地域に住んでいらっしゃる高校生の子たちというのは、朝の部活ができないわけです。ですから、お父さん、お母さんたちが、車で三十分かけてもう少し早く出る駅まで連れていって、渋川まで高校生の皆さんが行っていらっしゃるという現状があるものですから、ぜひ始発をもっと先まで、早い時間に来てほしいというのが、村長さんを初めとして、この間繰り返し要望してきた。それが去年の十二月にされていたそうです。
 その要望が、受けとめるかと思いきや、それではなくて、二月十三日に、新たに二つを今度は無人化するということが出てきたと。どうやら、聞くと、相談する暇もない。嬬恋村の方は、ぜひ駅の人を置いてほしいので、村がお金を出してもいいから人を置いていただけないかというような相談もしていらっしゃるそうですけれども、JR高崎の方では、予算の関係があって、今までいた人たちは違うところに行かなきゃいけないから無理だということで、そこまで、お金を出してもぜひ駅に人を置いて、その地域の窓口として整備してほしいという相談を持ちかけているんですけれども、それもままならないというようなことを聞きました。
 この間、石井大臣初め、元太田大臣も、この駅の無人化の問題については、しっかりと丁寧に安全性を確保する、そして、利用者の皆さんにしっかりと丁寧に説明をし、合意をとりながら丁寧に進めていくよう、例えばJR九州の問題も含めてやるといって答弁していらっしゃるんですよ。その答弁との関係でいえば、今私が説明した限りですけれども、こういった吾妻線での二駅のやり方というのは、到底丁寧にやっているとは言えないやり方ではないかと思います。
 ぜひ、実態をつかんで、村長さんもお金を出して何とかしたいというふうに言っているわけですから、きょうはお願いです、ぜひ国交省として、実態をつかんで、相談に乗ってあげてほしい、相談に乗るべきだというふうに石井大臣に直接お願いしたいと思いますが、ぜひ実態を調べていただけないでしょうか。
○石井国務大臣 駅の無人化に際しましては、サービス水準を可能な限り確保するとともに、安全性を確保することが重要でありますが、具体的な対応については鉄道事業者が判断すべきものであります。
 御指摘の万座・鹿沢口駅については四月一日より無人化されたところでありますが、JR東日本に確認したところ、二月中旬に群馬県や駅のある嬬恋村に対し説明を行い、特段の意見はなかったと聞いております。
 いずれにいたしましても、鉄道事業者が無人化を行う場合には、地域の理解を得られるよう、鉄道事業者から地元自治体等に丁寧に説明を行うとともに、安全性の確保やサービス水準を可能な限り確保することが重要と考えております。
○梅村分科員 特段の意見がなかったということですけれども、あったんですよ。お金まで出して何とかしたいという意見ですので、きょう、私、質問させていただきましたので、ぜひその実態をまずつかんでいただいて、そういう状況があれば一緒になって検討をしていただきたいことをお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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